スパーズ・ファンへの手紙 – デヤン・クルゼフスキ

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どうしたんだ?ウルブズとの試合の後、コンテは僕にプレミアリーグで初めての先発出場のチャンスをアウェイのマン・シティ戦で与えると告げた。

正直、冗談のように感じた。先発することはうれしかったが、とても緊張していて試合前に並んでいるときにイタリアでの出来事を思い出した。

「実力が足りない」

「足が遅すぎる」

「まぁ、もうダメだろうな」

悪魔の仕業だ。

僕らは皆、あの試合を覚えている。開始3分でゴールを決めると、肩の荷が30キロも落ちたような気分だった。そして2-2のアディショナルタイムに、僕はハリーにクロスを入れ、ハリーは頭で合わせた。皆が彼に向かって走り始め、僕はピッチの反対側にいたので向きを変えてファンを見て叫んだ。できるだけ大声で。

「I’m him! I’M HIM!」

とにかく、勝ち誇って見せたんだ。

I’m him! :NBAなどスポーツ界を中心に用いられるスラング。「私は『彼』である」の『彼』とは、周りの多くの人物(選手)の中で、抜きん出た活躍を見せた『人物』であることを意味する。

誇張ではなく、その瞬間は僕の人生で最も幸せな瞬間だった。これまでの人生の中で最も生き生きと感じた。もう誰も気にしない、と思ったのを覚えている。誰も僕に、このフットボールで通用しないとは言えない。僕に何ができて何ができないのか誰も教えてくれないんだ。

まあ、サンドラは別だが、あの姉さんでさえも喜んでいた。姉はこう言った。

「やっと、3ヶ月ぶりに良い試合ができたね…」

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