機能するウイングバック
この試合のピッチの上での出来事に目を向けると、コンテはトッテナムの先発メンバーに4人の変更を加え、そのうちの2人はウィングバックだった。
ライアン・セセニョンは、インターナショナル・ブレイクの前のレスター戦以来となる左ウイングバックでの先発出場を果たし、彼自身の今シーズンの無敗記録を更新し続けた。この22歳が先発起用された5試合で、スパーズはスタンフォード・ブリッジで引き分けと残り4試合に勝利している。
コンテはこのU-21イングランド代表に大きな期待を寄せており、彼の戦術的な要求を満たす能力に感銘を受けている。セセニョンがチェルシー、マンチェスター・シティ、リバプール、アーセナルなどのビッグマッチで先発を任され、優れた成績を残しているのは偶然ではない。彼がプレミアリーグで先発した試合のスパーズの戦績において、敗れたのは9ヶ月前のスタンフォード・ブリッジでの2-0の敗戦のみである。
好調ブライトンとの試合でのパフォーマンスは、このクラブでの彼の最も輝いたプレーであり、Sky Sportsのマン・オブ・ザ・マッチに選出された。この若きワイドマンは、90分間のプレーで左サイドを縦横無尽に駆け巡った。
守備においては、復帰したベン・デイヴィスと固い絆で結ばれ、攻撃においてもブライトン陣内で何度も好ポジションに入り、低い弾道の危険なクロスを放った際にはチームメイトがもっと良いポジショニングを取れていれば決定機になりえたと思わせるほどだった。
彼がファーに送ったクロスは、逆サイドのドハティがボレーシュートを放ったがバーを越えてしまった。それでもコンテのシステムにおいてウイングバックが要求通りに機能しているときの形を思い起こさせるものであった。
エメルソン・ロイヤルの守備面の強さは評価すべきだが、コンテのシステムはセセニョンが左に入り、ドハティを右に置いたときに最も良く機能していた。
エメルソンの場合は、加圧システムの中でパイプが詰まっているようなものだ。彼の細いパイプは、その途中で詰まっていて、水（攻撃）は引き返すことを強いられ、誰もが予測可能な形で別のサイドを経由した攻撃になってしまう。正しい太さのパイプが左右に揃っていれば、水は両端を勢いよく流れるようになるだろう。
ドハティは、4月9日のアストンヴィラ戦で受けたマティ・キャッシュのタックルで負傷し、シーズンを棒に振って以来、初めて先発でプレーし、まだ錆びついたように見えた。このアイルランド人は、負傷前はこれまでトッテナムに在籍した中で最も調子が良かったが、内側側副靭帯の断裂により、その好調を突然の中断することを余儀なくされた。
