アンジュ・ポステコグルーがスティーブン・ジェラードやヌーノ・エスピリト・サントとはまったく異なる監督である理由

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2022年3月のアイブロックスへの遠征(レンジャーズ戦)を前にこう語った。

「攻撃的で魅力的なフットボールをすることは簡単なことではないだろうが、それをすることの価値は必ずある。そして私にとっても、それで誇りに思えるようなチームを作ることができるんだ」

「選手たちにも言っているが、90分間、君たちを喜ばせ、記憶に残る瞬間を与えることが我々の責任だ。それがこれからの我々のやり方なんだよ」

「もちろん、勝利はこのクラブのアイデンティティの大きな部分を占めているが、私にとっては、ただ勝つだけでなく、どのように勝つのか、どのようなチームを目指すのかが重要なんだ。自分たちの能力を信じ、自分たちのフットボールを信じることだね」

「我々には、挑戦的でありながら、大きな戦果を得られるプレースタイルがある。そして、結果を出すという大きな責任を担っているんだ。我々は、皆さんをワクワクさせ、笑顔にし、思わず立ちあがってしまう瞬間を届けるようなチームでありたいね」

「選手に楽しんでもらいたいし、ファンにも一緒に楽しんでもらいたい。そして、ありたい姿という共通のビジョンのもとに団結することで、我々が目指す成功を手に入れることができるんだよ」

ポステコグルーとエスピリト・サントは、そのアプローチと哲学において天と地ほどの差があり、オーストラリア人の方がカリスマ性があり、現在、ファンとクラブの間にある壁を考えると、すべての人を団結させる資質を持つ人物である。最悪の場合、彼はトッテナムで苦戦することになるかもしれないが、もしセルティックの在籍期間で得た成功をノースロンドンで再現できれば、少なくともそのスパーズはエスピリト・サントが実践していた気難しいフットボールではなく、積極的に戦う向こう見ずな姿勢を見せてくれるだろう。

元ウルブズの指揮官との比較だけでなく、ファンはポステコグルーを選ぶべきでない理由として、スティーブン・ジェラードがスコットランドでの成功の後にアストンヴィラで失敗したことも指摘している。繰り返しになるが、2018年にレンジャーズで初めて監督の職を担った元イングランド代表と比べ、オーストラリア人には監督としての豊富な経験があるため、これもまた不当である。

もちろん、ポステコグルーがスコットランドに移る前のほぼすべての時間をオーストラリアと日本で過ごしていたことを指摘する人も多いだろうが、それでも27年分の監督経験があることは、数年前に監督の職に就いたばかりのジェラードと比べて貴重なものである。2021年のレンジャーズのタイトル獲得は、43歳のジェラードが指揮を執った3シーズンの間に獲得できる可能性があった9つのトロフィーの中で、唯一のタイトルだったのだ。ポステコグルーは、土曜日のスコティッシュ・カップ決勝でセルティックがインヴァネス・カレドニアン・シッスルに勝てば、この2シーズンで獲得可能だった6つのうち5つ目を獲得することになる。

2021年11月にヴィラ・パークにやってきて多くの期待が寄せられる中、ジェラードは就任1年目のシーズンを14位で終え、クラブを前進させることができず、就任から11ヶ月で解任される結果となった。昨シーズン、ジェラードが苦戦したのは、2022年夏にアシスタントのマイケル・ビールが退団したことが大きな要因だと多くの人が主張している。グラスゴー時代から「エキスパート」と呼ばれた信頼できるアシスタントがそばにいなかったのは大きかった。

ジェラードがプレミアリーグで初めて監督になったときにプラン通りにいかなかったからといって、ポステコグルーでその歴史が繰り返されるとは限らない。セルティックのボスが過去20年の間に築き上げた経験は、トッテナムに適したフットボール哲学であり、不可欠なものとなるだろう。

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