過去の移籍マーケットでの補強を大いに妨げてきたダニエル・レヴィの移籍マーケットでの最大の弱点

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もし、このリストにもう一人名前を加えたいのであれば、現代においてこのクラブが擁した最高のミッドフィルダーの一人であるムサ・デンベレを加えることができるのだが、彼はスパーズのチームメイトたちがファイナルの大舞台に立つ5ヶ月前のその年の1月にわずか1100万ポンドで中国スーパーリーグに移籍していた。スパーズとの契約が残り半年になっていたことが、その移籍金に影響した。

トッテナムがここ数年で最高のチーム戦力を構築できたのがこのメンバーだったが、当時、高い評価を受けていた選手たちであってもまともな移籍金を得ることができなかったわけで、どれほどこのクラブが選手の売却が下手かを象徴しているだろう。

世界中のフットボールクラブのファンがエキサイティングな高額の移籍金での補強に興奮する中、スパーズに関しては興奮できる理由を見つけるのは難しい。

ここ数年のクラブの記録を更新した移籍金での補強は、ムサ・シソコ、ダビンソン・サンチェス、タンギ・エンドンベレ(同じ夏のジオバニ・ロチェルソもエンドンベレの補強が無ければ記録に迫った)、そして昨夏のリシャルリソンだ。

シソコは、加入から数年を経た2018/19シーズンにようやく活躍したが、それまでの2~3年間は大失敗と見なされていた。サンチェスは最初のシーズンは良かったが、それ以降はかつての輝きを取り戻せていない。エンドンベレとロチェルソは納得のいくプレーができずに何度もローン移籍を余儀なくされ、6000万ポンドのアタッカー、リシャルリソンでさえトッテナムではプレミアリーグでわずか1ゴールしか決めていない。

今週のマノル・ソロモンのフリーでの補強にやや評価を渋めにしているスパーズ・ファンもいるようだが、トッテナムのスター選手たちのほとんどが、比較的安価で獲得していることは注目に値する。ロドリゴ・ベンタンクールは1年半前にユベントスから1500万ポンドで移籍してきた。

ケインの場合はアカデミー出身だが、こうした安価で獲得したスター選手において、スパーズは時折、ダイヤの原石を見つける能力に長けていることを示す。一方で、最も厄介なのは、大金をつぎ込むべき戦力を正しく選ぶことができないクラブの無能さと、すぐに選手を売却することができないこと放出の下手さだ。

スパーズは過去5年間で何億ポンドもの資金を選手の獲得に費やしてきたが、その見返りはほとんどない。さらに、その間に次々と監督を解任してきた費用を加えると、さらに事態は深刻だ。

レヴィは3月にCambridge UnionとのQ&Aで次のように語っている。

「トッテナムが過去5年、10年の間に新しい選手に費やした金額をプレミアリーグの他のクラブと比較した場合、私たちはその他のクラブを上回っているだけでなく、実はその他のクラブの中には私たちよりピッチ上で成功しているところもあるかもしれないからです」

「お金をかけることとピッチで成功することは、必ずしも直結しているわけではありません。誰に資金を投じたかの話題になりますし、私も名前をあげることができますが、そのようなことはしません。トッテナムが買った選手のうち、成功しなかった選手の名前を挙げればきりがないし、私たちは莫大なお金を失ってきました」

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