スパーズがもっと優秀で即戦力となる選手を獲得していれば、その投資は十分に報われたはずだという意見もあるだろう。しかし、現状は誰も欲しがらないお荷物となる選手を抱えてしまい、その重荷を背負わされているのは明らかだ。
2021年にイタリアからやってきて、フットボール部門のマネージング・ディレクターに就任したファビオ・パラティチは、世界中の移籍取引を斡旋している男として名を馳せたが、その反面でユベントスでは選手を放出するのに苦労していたという評判も合わせ持っていた。
パラティチはスパーズで働いている間、そのような悪い評判を覆すようなことはほとんどできなかった。その最たる出来事は、クラブが国外のクラブにローンに出している選手が多すぎることに気づき、パニックに陥ってマット・ドハティの契約を破棄したことだ。先月、パラティチがコンサルタントとしてトッテナムに関わっていることをfootball.londonは明らかにした。
全く異なるプレースタイルを持つ監督たちが絶えず入れ替わることで、選手たちの入れ替わりも激しくなり、スパーズはこの夏に何人かを退団させる必要があるのだが、その退団が上手くいかないことがしばしばクラブにとって妨げになってきた。
例えば、過去2度の夏の移籍マーケットでは、いずれもセンターバックを2人獲得する予定だったが、トッテナムは現存のセンターバックの選手を移籍させることができなかった。
今夏も2人のセンターバックの獲得が目標だが、そのためのスペースを作るにはセンターバックの選手を移籍させる必要がある。スパーズはヴォルフスベルクのミッキー・ファンデフェン、バイエル・レヴァークーゼンのエドモン・タプソバ、フラムのトシン・アダラビオヨに強い関心を持っており、クレマン・ラングレもまだ選択肢として残っている。。
レヴィにとっては、歴史が示唆するような高額移籍金での獲得オファーが届くことはめったにないとわかっているもののその到来を辛抱強く待つか、余剰資金がないとはいえアンジ・ポステコグルーのチーム戦力の再建を急ぐためにどんな安価な獲得オファーが来ても受け入れるかというジレンマに直面する。
そのジレンマを乗り越える答えは、移籍マーケットの最初の段階でより良い補強に素早く動くことである。今夏、データ分析に再び重点を置いたことで、専任のフットボール・ディレクターが不在にもかかわらず、今回、その策が奏功する可能性がある。
最終的にレヴィは、そのすべての移籍に最終決定権を持つ人物であり、7月1日(土)に正式に新らたなナンバー2に就任したチーフ・フットボール・オフィサーのスコット・マンを含めて、レヴィと試合のピッチに立つ者たちの間にいる人物に関係なく、移籍マーケットでのスパーズの成否は、レヴィが評価の矢面に立たされ続けるだろう。
この夏の成功の鍵は、ポステコグルーがやりくりに苦労するチーム戦力ではなく、彼のやり方にすんなりと馴染むチーム戦力を作り上げることだ。