ポステコグルーが成功するための重要な要素のひとつは、選手との短い会話やグループ・ミーティングなど、チームとのコミュニケーション方法を長年にわたって進化させてきたことだ。それらはたびたびSNSにも拡散され話題になってきた。
「あまり意識しているわけではないのだが、シニアのコーチになった1年目が1996年だということで、それからのどれだけ大きな変化があったかということだね。90年代の20歳の選手と、今の20歳の選手との違いや、この社会の中でのコミュニケーションのあり方について考えてみたんだ。それが我々指導者の最大の過大なんだよ」
「我々は知識を持っているし、知識という点では常に自分を高めていて、自分たちがやっていることの最新のトレンドが何なのか、それが何であれ、技術的な側面も含めて理解している。だが、長く続けていくには、それをどのようにしてさまざまな世代に伝えていけばいいのかが問われるんだ」
「未知の世界に飛び込む物語を語るとき、現代の若者が何を考え、何に刺激され、何がモチベーションを高め、何が彼の人生にとって重要なのか理解する必要があるが、そこでは必ずしも私の人生や生い立ちにおいて何が重要だったかは必要ではない」
「その変化の中では、一貫したメッセージもあれば、今でも心に響くメッセージもあるが、我々のコミュニケーションのあり方は変わってきている。10年前、20年前のことではなく、今の時代に合ったストーリーや絵を描くことを学んだんだ。私のメッセージは、以前よりもさらにシンプルになったかもしれないね」
「選手に何かを求めるときには、『なぜ(そうするのか)』が最も重要だということを理解することだね。そういうものだ。我々の世代では、指導者が何かをするように指示したら、ただそれを実行するだけだった。疑問を持つこともなかったよ。今は、特に選手に少し変わったことを要求すると、それについて質問されることが多くなっている」
「なぜそうしてほしいのかを理解したうえでそれを説明しなければならない。それが私にとって最も大きなことだった。選手やスタッフに、私が何をしてほしいのか、なぜそうしてほしいのかを明確に理解させることができなくなったときに、私の旅は終わりを迎えると思っている」
「選手やスタッフに、私が何を求めているのか、なぜそれをやってほしいのかを明確に理解させることができること。それが本当に大切なことだと思うよ」