寡黙なアンジ・ポステコグルー – 選手とあまり話さないユニークなコーチング・メソッド

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「しばらくすれば選手たちはそれを理解し、『このチームにはえこひいきはなく、クラブの代表や会長からブーツマン、メンバーリストの最初の選手も最後の選手も、みんな同じように扱ってくれる』と理解してくれる。私はいつもそのように働いてきたんだよ」

「初めて監督の仕事をした時は、ほぼ無理やりそのような姿勢を貫いたんだ。私は若くして引退し、早くから監督の仕事に就いていた。30歳で自分がプレーしていたクラブの指導者をしたんだ。私が指導していた選手の多くはかつてのチームメイトで、そのうちの1人は私の大親友だった」

「だから来る日も来る日も私情を切り離さなければならなかった。特に、一緒にプレーした仲間や、親友だと思っていた人たちに対して、そのように接するのは厳しいものがあったよ。しかし、マネージャーとして、毎日決断しなければならないんだ」

「この仕事について言えることは、とにかく毎日決断を迫られるということだ。トレーニングやスケジュール、チーム選考についてなど、周りが決断を求めてくるし、良い決断を下すためには知識が必要になる。私は選手やスタッフと距離を置き、スタッフについてであれ、プレーの仕方についてであれ、決断を下すときは、なるべく感情的にならないようにしている。私は、チームと成し遂げたいことのために、最善の決断を下すんだ」

「それが、監督として最も有効な方法だとわかっているからね。私は誰に対しても同じように接するが、選手たちが私に親しみを感じてくれなければ、成功はなかっただろうとも思っている。それは外から見るのとは違う種類の親密さなんだ。過去20年間、私が指導してきた選手たちに、『ボスと交わした一番長い会話はどのくらいでしたか?』と聞いても、同じ答えが返ってくることは保証するよ」

「彼らは1分もかからなかったと言うだろうし、むしろ、彼らがプレーを止めた後に私が彼らに向かって少し話をした場合、元々は監督と選手の間柄ではなかったわけだし、彼らは私と話していることを少し不愉快に感じただろうね」

指導者は皆、選手とのコミュニケーションのスタイルが異なるが、最終的には自分自身に忠実であることが重要であるとポステコグルーは説明した。

「それは指導者としてのあなたの個性に起因するんだ。いろいろなやり方があるけれど、自分という人間を貫き通すことだよ。本気でなければ、人に見透かされてしまう」

「私のコミュニケーション方法は、まとめて言うと、物語を語るのが好きなんだ。なぜそのようなことをするのか、その理由を説明するのが好きなんだよ。だが同時に、誰もが理解できるように説明する必要がある。それが私のコミュニケーション方法だね」

「他の指導者は違うだろう。他の指導者は、選手との距離が近く、選手と深く関わりながら、1対1や個人単位でメッセージを伝えることができる。他の指導者は、メッセージを伝えるために、視覚的なものであれ、他の方法であれ、さまざまな見せ方を用いるだろうね」

「私にとっては、選手やスタッフに納得してもらうのに最も効果的な方法は、ただ『これをやれ』というだけでなく、なぜそうするのかというストーリーを伝えることなんだよ」

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