Evening Standard/Dan Kilpatrick
トッテナムは今シーズンの大半を、試合内容が低調ながらも結果を出すことに費やしてきた。そのため、アントニオ・コンテのチームが、このシーズンで最も良いパフォーマンスを見せたリバプール戦で敗れたのは皮肉であった。
結局、スパーズはこのビッグ6のチームに対していつも通りの欠点を突かれて打ちのめされ、試合はエリック・ダイアーを筆頭とする個人のミス、モハメド・サラーを中心とした両軍のエリア内のクオリティ、そして繰り返されるスパーズのスロー・スタートで決着した。
しかし、スパーズは先月マンチェスター・ユナイテッドやアーセナルに敗れた時ほどおとなしくも脆くもなく、ハリー・ケインの今シーズンのリーグ戦で11ゴール目を記録したことを皮切りに、少なくとも勝ち点1を獲得するチャンスは十分すぎるほどあった。
コンテは試合後の記者会見で、5月のアンフィールドでの1-1ドローでスパーズのカウンターアタックを多用するフットボールを批判したユルゲン・クロップへの皮肉から始まり、自身のプレーの正当性をほぼ証明したようにみえた。
「質問に答える前に、ユルゲンは今夜のプレーに満足しているのか？どうだい？彼の意見を知ることは重要だよ」
コンテの試合へのアプローチに対する批判は、今シーズンに繰り返された地味な勝ち方に対し、野心の欠如と不満を抱いている一部のスパーズ・ファンにも及んでいるが、今回の敗戦での改善されたパフォーマンスは、特に現状において楽観的になれる理由となるはずである。
コンテは、ハーフタイムにブーイングを浴びせたファンに対し、スパーズがクロップ率いるリバプールのようなレベルに達するには「時間と忍耐」が必要だと念を押していた。この試合の見方としては、再建のスタートに近い側が、すでに頂点に立ったチームに対して惜しくも敗れたというもの。
もちろん、スパーズが主力抜きでこの種の試合に臨むのは依然として難しく、クリスティアン・ロメロ、リシャルリソン、ソン・フンミン、そして後半20分に負傷から復帰したデヤン・クルセフスキの不在は、今回も大きく影響したと言える。コンテ以前であれば、同様の負傷者リストがあれば、スパーズがまったく戦えなくなるところだったが、40分のサラーのゴール以降、後半に入ってもスパーズの方が優勢だった。
ケインとイヴァン・ペリシッチの急造2トップによる創造性と火力の不足にもかかわらず、スパーズは明確なプランを持ってリバプールに挑み、それはほぼ成功した。
サラーがスパーズのずさんな守備を突いて11分にリバプールに先制点をもたらし、これでコンテのスパーズが相手チームに先制したのは最近の20試合で13回目となった。さらにダイアーがこのエジプト人に2失点目をプレゼントし、クルゼフスキが交代でピッチに入ってからまもなく、彼のアシストからケインがゴール隅にボールを流し込んだ。
