「長いシーズンだから、僕は自分の出番を待っていたんだ。監督が僕を必要とするときのために、毎日、要求に応えられるように準備をしていたよ。だから、監督から声がかかったら、期待を裏切れないんだ」

「フランスからやってきたから最初は簡単ではなかったし、まずピッチの中でコミュニケーションをとりたいと思ったときに周りと理解し合うのがなかなかうまくいかなかったんだ」
「周りの選手たちは僕にチームに適応することを望んでくれたんだけど、僕はあまり英語を話せなかったからね。ちょっと難しかったけど、今はこのチームで気持ちよくやってるよ」
夏からのスパーズへの合流と、そしてワールドカップでの出場時間の少なさから、プレミアリーグの舞台でプレーする機会を得ていることは、サールにとって突然のチャンスと言える。アーセナル戦とACミラン戦の2試合は、彼のキャリアの中で「貴重な瞬間」だったと振り返る。

しかし、世界中がその2試合のパフォーマンスに注目している中、おそらく最も身近な存在である実の母親は、緊張のあまり息子の試合をほとんど観戦することがなかったと笑顔でサールは明かしてくれた。
「母はいつもそうなんだよ」
「フットボールは好きだけど、僕の試合を見るのは苦手なんだろうね。自分の息子がプレッシャーを感じながら試合をしているのを見るのはつらいだろうし、僕がうまくやれるかどうかもわからないからね」
「でも、母にはとても感謝しているんだ。特に、僕がここにやってきたときから、たくさん支えてくれた。シーズン序盤の苦しいとき、母は何度も電話をかけてきて、『あきらめないで、きっとうまくいくから。頑張りなさい』と言ってくれたよ」