交代出場した選手たちのインパクト
コンテにとって、この日の最大の収穫のひとつは、交代出場した選手たちのパフォーマンスだっただろう。
リシャルリソンは、スパーズのヘッドコーチが望んだ通りの働きをした。彼は、チェルシーの守備陣にとってハエまたはハトのように厄介であり、終始苛立たせていた。そしてチェルシーが右サイドにスペースを見出す数的優位が発生したものの、相手守備陣は突然ピッチの高い位置で新たな相手をしなければならなくなったことで、ソンを孤立させるという戦術は混乱していった。
チェルシーのクリアを防ぐためのスライディング・ブロックは、アウェイ席のスパーズ・ファンを熱狂させたが、ブラジル人のプレーの激しさは、コンテが前線を目覚めさせるために必要なものだった。サポーターは彼の尽力を高く評価し、終了のホイッスルが吹かれた後の歓喜の混乱の中で、リシャルリソンはアンソニー・テイラーをトゥヘルのもとへ案内し、彼を退場させるように仕向けた。なお、その結果コンテも退場になってしまった。
ケインの放った完璧なシュートは、ジェームズの太ももをかすめてゴールネットに突き刺さり、飛び跳ねるように喜ぶコンテをトンネルに飛び込ませた。
ペリシッチは、左右どちらの足でもコーナーキックを蹴り、そのテクニックと能力を見せつけた。
後半にピッチに入るかなり前の前半の給水タイムに、33歳のペリシッチはセセニョンにコーチングをする姿が見られた。
ロフタス・チークとジェームスの2人のサイド攻撃で、セセニョンはしばしばオーバーロードを強いられ、前半にはオフサイドだったかもしれないが、パスに抜け出して決定機を迎え、エドゥアール・メンディにセーブされる場面もあった。
ペリシッチもまた、チェルシーのサイド攻撃を抑えるのに苦労し、攻撃陣のペースに翻弄されたこともあったが、終盤の同点ゴールの場面では決定的な仕事をした。
コンテはこの試合の後もまた、この経験豊富なこのウイングバックはまだ「私の知っている本来のペリシッチではない」と発言し、来週末の先発メンバーの選考においても決断を迫られることになる。このクロアチア人にプレー時間を与えてフィットネスを万全にさせるか？それとも、セセニョンを少なくとももう1試合先発させ、自信をつけさせるのか？
イヴ・ビスマは、ブライトン時代の活躍を取り戻すには時間が必要な選手である。まもなくスパーズは1週間に3試合をこなすようになるが、そうなれば仮にコンテがウルブズ戦では彼のプレー時間を長くすることを決断しなくても、ビスマも自ずとプレー時間を増やすことになり、そこでキレを取り戻すだろう。
