マディソン本人が移籍を熱望していたこともあり、両クラブとも長引く移籍マーケットでの移籍騒動を望まず、交渉が始まると、ノリッジが利益の15%を得るこの移籍は比較的迅速に成立した。
レスターは、マディソンが出場機会を増やし、ノースロンドンで活躍すれば、さらなる出来高を受け取ることになるだろうが、多くの人はたった1年前にその2倍の評価額と伝えられていた選手を、スパーズが驚くべき取引によって手に入れたと考えている。もし、期待通りに彼が活躍したとしても、スパーズは多くの人が信じているバーゲンでの獲得だったと見なすだろう。
その上、別の取引ではあるが、同じく契約が最後の12ヶ月を迎えるハリー・ウィンクスは、1000万ポンド相当の移籍金でレスターへ向かうことが決まっている。
昨シーズン、Sky Sportsの解説者であるグレアム・スーネスはマディソンについてこう語っていた。
「彼はハードな仕事もこなすし、オールラウンドなトッププレーヤーだ。彼の獲得には1億ポンド以上が必要だろう。チェルシーは(エンツォ・)フェルナンデスに1億1000万ポンドを費やしたが、彼の場合はポテンシャルを買っていることになる」
「マディソンはすでに素晴らしいプレーヤーなんだ。フットボールで最も難しいのはゴールを奪うことだが、彼はそれをやってのける。彼はゴールを奪い、ゴールを創り出すこともできるんだよ」
「彼は大きな舞台に向かう運命にあると思う。レスターが彼をキープするのは難しいだろう。ミッドフィルダーで最も貴重な能力は、まさに彼が豊富に持っているものだ。キュートなパスを持っていて、狭いエリアでもボールを奪い、味方を裏抜けさせることができ、ゴールを狙う目を持っている」
トッテナムがこの千載一遇のチャンスをものにできたのは、CAA Baseという大きなコネクションだった。ポステコグルー、ソン・フンミン、リシャルリソン、ペドロ・ポロをクライアントとして擁し、クラブのアカデミーにも多くの才能ある若手が在籍するこの巨大なエージェンシーは、レヴィの信頼も厚い。
CAA Baseのクライアントが大金でスパーズに移籍した選手が、これで3年に渡って続いたことになり、新ヘッドコーチを含めると4人のクライアントをスパーズは招聘したことになる。トッテナムの移籍マーケットで、CAA Baseのクライアントが加入しない方が珍しいほどで、スパーズはまだユベントスのグレイソン・ブレーメルやクリスタルパレスのエベレチ・エゼとの噂があり、どちらもCAA Baseのクライアントである。
マディソンの獲得は、トッテナムとレヴィがまさに必要としていたタイミングでの、重要な補強となる。特にクリスティアン・エリクセンの後任がいつまで経っても見つからなかっただけに、こnチームはハリー・ケインが必要なゴールを決めるだけでなく、時に引いた位置でプレーし、チャンスメイクでもその能力を発揮することに過度に頼らざるを得なかった。
スパーズはディフェンスを改善しなければならず、それはこの移籍マーケットで実現するだろうが、マディションの獲得は非難轟々のダニエル・レヴィにとって恩恵が大きい。人目を引く獲得劇であり、何よりもエキサイティングな補強だ。