2年連続で、トッテナムの移籍ビジネスのスピードは頼もしいが、ハリー・ケインの将来がクラブの夏のチーム戦力の再建に影を落としている。
Evening Standard/Dan Kilpatrick
スパーズはすでにグリエルモ・ヴィカーリオを獲得し、デヤン・クルゼフスキのローン移籍を割引価格で完全移籍に変え、水曜日にはジェームズ・マディソンを4000万ポンドで獲得した。
エドモン・タプソバが補強ターゲットであり、クレマン・レングレとの再契約にも関心が寄せられているが、これから数日の間にスパーズがセンターバックを獲得できれば、3つの大きな課題となっていたポジションの補強を7月1日のポステコグルーの正式な船出を前に解決することになる。
しかし、スパーズの夏の移籍マーケットの成否は、ケインの将来によって決まりそうだ。バイエルン・ミュンヘンは、初回の6000万ポンドの獲得オファーを断られたにもかかわらず、イングランド代表キャプテンの獲得にまだ自信を持っている。
ドイツでの報道によると、バイエルンはケインに対してより良い獲得オファーの提示を準備しており、ケインはここで国外でのプレーを選んだとしても、アラン・シアラーのプレミアリーグ歴代最多ゴール記録を更新することを諦める必要はないと確信しており、ブンデスリーガ王者への移籍に前向きだという。
スパーズはケインを売るつもりはないと主張しているが、どれほどの獲得オファーが出されても絶対に売らないというわけではないだろう。契約の最終年を迎え、新契約にサインする意思をほとんど見せず、来月に30歳を迎える選手に対して、もしも1億ポンドのオファーが提示されれば、検討しなければならないはずだ。
ケインはトッテナムのクラブ史上最高の選手だが、その将来となると、クラブにとってもプレッシャーのかかるダニエル・レヴィ会長にとっても、ここで放出を認めようが、1年後にフリーで手放そうが、ファンから恨まれることにかわりはないだろう。
ケインをクラブに留めたい理由はシンプルだ。スパーズにとってケインは最高の選手であり、クラブにとってセンチメンタルな価値は過大評価できないからだ。
たとえ1億ポンドを手にしたとしても、ポステコグルーのチーム戦力に空いたケインの穴を埋められるような、スパーズが現実的に獲得可能な新戦力などいないのだ。
ケインを失うことは、クラブから心臓をもぎ取ることを意味する。チームの中心であり、ドレッシングルームのリーダーであり、昨シーズンのクラブのゴールの40%、プレミアリーグで30ゴールを決めたケインを奪うことの意味はあまりにも大きい。
彼がいなければ、来シーズンにチャンピオンズリーグ出場権を獲得する望みはほとんどないだろう。