トッテナムでは、まだ移籍ビジネスが終わっていないことを実感しつつも、満足げな空気が流れている。選手補強が一段落したところで、現在の焦点は退団に向けられており、ジョー・ロドンはレンヌに買取オプション付きのローン移籍の成立が迫っており、週末にはメディカル検査が予定されている。
ロドンは、プレミアリーグやセリエAから興味を持たれていたため、リーグアンのレンヌへの移籍は、このウェールズ人にとって珍しい行き先のように思えるかもしれない。
しかし、アヤックスと並んで、このフランスのクラブはヨーロッパで最もスカウトが送り込まれるチームの一つであり、その採用・育成の成功は目を見張るものがある。最近のシーズンだけでも、ウスマン・デンベレ、エドゥアルド・カマヴィンガ、マティス・テル、アブドゥライェ・ドゥクレ、ラフィーニャ、ナーイフ・アゲルド、エドゥアール・メンディ、イスマイラ・サールらが、より大きな移籍を見据えて引き抜かれている。ロドンはワールドカップ前に、多くの選手の入れ替えが起こるこのクラブでレギュラーを狙えるようになるはずだ。
ロドンの退団の後、スパーズはエンドンベレ、ロチェルソ、ウィンクス、レギロンの新天地探しを続けることになるが、なかには新天地探しが難しそうな選手もいる。また、ジャフェト・タンガンガにはイタリアのクラブからの関心もあり、ACミランもこの若いセンターバックに注目しているようである。
ファーストチームの選手が多くなり、チーム戦力も大きくなったので、若手はより多くの試合に出るために、デイン・スカーレットがトロイ・パロットとともにフットボールリーグにローン移籍し、さらにその後に続く選手も出てくるだろう。
退団する選手の進捗状況がより明らかになれば、パラティチとコンテは9月1日の移籍マーケットの期限までに、どのような補強が必要なのかを決定することができる。コンテは、すべてのポジションに2人の選手を揃えることを望んでおり、左のベン・デイヴィスとポジションを争うのがクレマン・ラングレだとした場合、ロドンの退団にタンガンガの放出も続けば、エリック・ダイアーとポジションを争う3バックの中央でプレーできるセンターバックが必要になる。
攻撃的ミッドフィルダーやストライカーの獲得の機会は今後も注視されるが、現時点でコンテがリラックスしており、満足していることが最大のポイントだ。記者会見では、イタリアのメディアからのいくつかの質問に対する自分の答えを、英国のジャーナリスト向けに満面の笑みで英訳していたし、終了後には英国から駆けつけてきた人たちと握手をしていた。
コンテが幸せなのは、たくさんの可能性を秘めながら、現在進行形で成長しているクラブで自分が主導権を握れているからだ。ゆえに、この先もずっとトッテナムにいると話しているのも頷ける。