ハリー・ケインを体調不良に追い込んだアントニオ・コンテの残酷なトレーニングの陣頭指揮を執る鬼軍曹

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それも、軽いジョギングではない。プレシーズンの早い時期に戻ってきた選手たちは42回のラニングを、韓国行きのフライト直前に戻ってきた代表組の選手たちは30回を目標に、ペースを上げて行われた。ケインとソンが最初に苦しみ始めたのは偶然ではなく、前者はヒースローから韓国に飛んだ日に、後者は日曜日にソウルの仁川国際空港に到着したときに、チーム全員と合流したばかりなのだ。

他の選手たちも、その残酷なランニングを続けたことでピッチに倒れこんでいった。新加入のイブ・ビスマとリシャルリソンは、最終的にピッチに膝まづきながら悶えており、他の選手も周りに倒れこんだ。膝の手術からの回復を続けるジャフェト・タンガンガには、独自のランニングプランが与えられたが、彼でさえセッションの終わりには疲れ果ててしまった。

ふくらはぎの負傷から、まだボールワークを開始できていないイヴァン・ペリシッチは、インテル時代の経験からコンテのセッションがどのようなものかを熟知しており、微笑みながらその様子を見守っていた。

ピッチを去る時の選手たちはみな汗びっしょりで、ナイキの新しいトレーニング・シャツが湿気にさらされながら体にまとわりついていた。ホットスパー・ウェイで一足早くプレシーズンを開始した選手たちと合流したばかりの選手たちとの差は歴然としていた。オフシーズンに遠く離れた異国の地で、個人トレーニングする様子をいくらInstagramにアップしても、韓国の地で始まる苦痛には敵わないことを物語っていたのだ。

若さには利点があった。ブライアン・ヒル、新加入のパペ・マタル・サール、ダビンソン・サンチェスは、このメンバーの中で最もフィットしており、周りの選手に距離で差をつけていたし、ピエール・エミール・ホイヴィアも他の選手の中で最も優れていたが、この夜の最終ランとなった42本目でリードしたのは、若きアイルランド人ストライカーのトロイ・パロットであった。

パロットは、今回のコンテのセッションがどのように過酷であったかを尋ねられて、football.londonに語っていた。

「誰に聞くかによるよ。僕は元々ランニングが得意だけど、ああ確かにタフだったね。ハードワークではあるけど、すべては準備が物を言うのさ」

韓国でトッテナムの選手たちがセッション中やセッション後に倒れている写真は、SNSで拡散され、これから始まる大きなシーズンに向けて、コンテが選手たちに何をしているのかを世界中がうかがい知ることになった。ある者は、コンテが観客や旅行中のメディアのためにショーを行っているのではないかと考え、またある者は、それこそがコンテの仕事だと主張した。

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