経験豊富な選手たちはフットボールや人生の落とし穴を知っていることが多く、彼らにリスクのあるプレーをするよう説得するにはさらに時間がかかることがあります。若い選手はまだスポンジで、そういった落とし穴を知らないことが多いので、私は常に若い選手を重用するのが好きでした。
私は若い選手を育成することが大好きで、彼らが私たちチームの成功に悪影響を与えるとは思っていません。
選手に目が行きがちですが、周りのスタッフの育成も同じくらい大切だと感じています。私はいつも違うコーチング・スタッフと一緒に仕事をしてきましたが、私はスタッフを（古巣から）連れていくタイプの指導者ではありません。それが私の課題なんです。この競技で長く生きたいのであれば、自分のメッセージが常に理解可能なものであることを確認する必要があります。
新しい人を採用することで、そのメッセージを、新しい人にも理解できるようにしなければなりません。私は常に賢い若手指導者を求めてきましたし、彼らが成長するのを見るのを誇りに思っています。
すでに成功しているのに、これまで一緒に仕事をしたことのない人を採用するのは勇気のある決断です。安全な、または既知の決定を下したくありません。質問に対する答えがすでにわかっているのは、あまり好きではないです。
挑戦への意欲を持っている人物を連れてくることが私にとって素晴らしいことなんです。
6. 未来を先取りした指導法
アンジ・ポステコグルー：
今後も常に指導していきます。私は5年後を見据えてチームを構築しているので、現時点で誰もやっていないことをやりたいと思っています。この競技は常に進化しています。
みなさんはトレンドを追う傾向があります。 私の哲学は、むしろそれを超えた何かに取り組みたいということです。もし現時点でリバプールがあの信じられないテンポで他を圧倒しているとしたら、どうやってそれに対処することができるのでしょうか？
みなさんがペップのバルセロナを見て、「この巨人をどうやって止められるのか？」と尋ねたのと同じです。そしてこの信じられないようなカウンタープレスを思いつきました。
それがこの競技の素晴らしさです。私の理想は、今でも1974年のあのトータル・フットボールに遡ります。選手たちをポジションの制約から解放できればできるほど、私は幸せになれるのですが、それはさらにクレイジーになるでしょう。選手たちに「自分はディフェンダーだ、ミッドフィールダーだ、アタッカーだ」と考えを持たせないようにすることはできるか？また、この競技をさらに流動的にすることはできるか？
選手は「自分はセンターバックだから、このエリアにいなければならない」とは言いませんし、スペースがあると見てそこに進み、他の誰かがその役割を担うでしょう。
ある時点でこの競技はそのようになっていくだろうと思います。私は自分の過去の成功をその後に（同じやり方で）再現できたことがありません。私たちは何をより改善できるかを考えているんです。
