オーナーはイングランド代表キャプテンのこの夏の放出が、クラブの価値に与える影響に興味があるはずだが、これまでクラブのフットボールに関する意思決定には関与したことがない。
Telegraph/Matt Law
ハリー・ケインのお気に入りの休暇スポットは、タイガー・ウッズやアーニー・エルス（共にゴルファー）、ジャスティン・ティンバーレイク（米シンガーソングライター、俳優）、そしてトッテナム・ホットスパーのオーナーであるジョー・ルイスが共同所有しているバハマの600エーカーの高級リゾート「アルバニー」だ。
過去5年、ケインとその家族は夏季休暇をそこで過ごしたと言われており、この夏もアルバニーのプライベートビーチ、3つのプール、エルスが設計したチャンピオンシップ・ゴルフコース、高級レストラン、マリーナの散歩などでくつろいでいたようだ。
このストライカーの将来が不透明な時期でも、アルバニーはケイン一家にとって第二の故郷となっており、2年前にマンチェスター・シティへの移籍を画策していたケインが、スパーズのオーナーであるルイスが共同所有するリゾートに留まり、プレシーズンのトレーニングへの復帰予定を反故にしたという皮肉は、多くの人にとって忘れられない事態となった。
ただ、ルイスはその騒動には関与せず、トッテナムのスターがシーズン前のトレーニングに遅れて戻ってきた夏の間、喜んでケイン一家をその所有地に迎え入れ、難しい決断と話し合いを会長のダニエル・レヴィに任せた。そして、レヴィはシティの関心をいとも簡単に突っぱねることに成功した。
86歳のルイスがトッテナムを買収後、20年以上にわたってレヴィに多額の報酬を払い、自身はクラブの経営にほとんど手を出さないオーナーとしてあり続け、トッテナムよりも10億ポンドの価値があると推定されるアートコレクションに私財を多く投資してきた。
レヴィは2013年にギャレス・ベイルをレアル・マドリードに8500万ポンドで売却して当時の世界記録を樹立したが、一方でルイスは昨年、デイヴィッド・ホックニーの絵画を7030万ポンドで売却して世界記録を樹立した。彼がトッテナムで「重要な支配権を持った人物」ではなくなった1ヶ月後の出来事だ。
ルイスが重要な支配権を放棄するという発表は、カンパニーズ・ハウスに発行されたルイス・ファミリー・トラストの再編に関する情報の一部であり、クラブの運営は決して変わらないというスパーズの説明も伴っていた。
10年以上にわたってトッテナムでレヴィと仕事をしてきたある情報筋は、ルイスがフットボール関連の決定に「一切関与していない」とTelegraph Sportに語った。そのため、昨日報じられた「ケインがこの夏に契約延長にサインしない場合、レヴィにケインを売却するよう命じた」との情報は、ルイスとレヴィのことを知る者たちから注意深く受け止められている。
