「ハリー・キューウェルやマーク・ビドゥカがブレイクしていた頃、リーズでも同じようなことがあったし、(1980年代にリバプールでプレーしたオーストラリア人)クレイグ・ジョンストンのおかげで、オーストラリアにリバプール・ファンの同好会ができたという歴史的遺産がある」
「でも、そのおかげで次の世代が活躍しているんだ。私は2003年にこちらに来たが、当時はマンチェスター・シティのユニフォームを見かけることはなかった。今は、どこでも見かけるよ。だから、成功だけでなく、地元の人たちとのつながりも大きな役割を果たすんだ」
プレミアリーグへの関心が高まると、かつてポステコグルーが監督を務め、4つのタイトルを獲得したオーストラリアの国内リーグ、A-Leagueがさらに活気を失うことになるとヒルは考えている。
「人々は夜中に起きてパブに行きプレミアリーグを見るが、5分も歩けば行けるはずの地元のチームを観に行くことはないだろう」
逆に、ポステコグルーがヨーロッパのフットボール界の頂点に立ったことは、オーストラリアの新しい世代の指導者にインスピレーションを与え、彼らは自国以外でのチャンスに対する障壁が少なくなるはずだ。
「アンジはオーストラリア人の指導者にとって、これまでなかったような道を切り開いたんだ」
ピーコックは語る。
「なぜ、日本に行かないのか?スコットランドでもいいじゃないか。スパーズでうまくいけば、イングランドへの道もある」
「アンジのように、チャンスを与えたいと願う若い監督たちが続々と現れるだろう。誰にでも2回目、3回目、4回目のチャンスは必要だよ。たとえオーストラリア人の年老の男だろうとね」
スパーズのアジア太平洋ツアーの一環として、7月18日にパースでウェストハムとの親善試合(オーストラリアとニュージーランドでの女子ワールドカップ開幕戦の2日前)が予定されているため、アンジ・マニアはすぐには消滅しないだろう。
6万人収容のオプタス・スタジアムは、完売が確実視されているが、今回ばかりはソンやハリー・ケインが主役ではない。
ピーコックが語る。
「プロモーターは喜ぶだろうね!この試合には、大きな関心と特別な意義がある。この国のフットボール界にとって良いことだよ」
「女子ワールドカップが始まるし、地球の反対側ではアンジがプレミアリーグのチームを初めて指揮するんだ。こんなことを口にしているだけでも、まだシュールな気分だよ!」