プレッシャーの真っ只中でも恐れを知らぬロドリゴ・ベンタンクールがトッテナムの鼓動を刻む

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Guardian/Jonathan Liew

ユベントスから加入したこのミッドフィルダーは、パスとプレッシングのオールラウンドなプレーで、貴重な存在になっている。

ロドリゴ・ベンタンクールは、4歳のときに母親を亡くした。そのため、母親の誕生日を記念して30番のユニフォームを着ている。13歳のとき、ウルグアイの小さな町を離れ、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスにあるボカ・ジュニアーズのアカデミーで生活するようになった。19歳のとき、ヨーロッパに渡るチャンスがあったが、この決断に彼は恐怖を覚えたという。

「ユベントスに行けるかもしれないと言われたとき、僕はパニックになったんだ」と、後に彼は回想している。

「とても嬉しかったけど、とても怖かった」

今、この話をする意味は、このような大きな困難を乗り越えたことで、中盤で3-2(相手が3枚のミッドフィルダーでスパーズが2枚)の劣勢に立たされても、よりリラックスしてプレーできているのではないかということだ。ベンタンクールは、逆境をはねのけるためには恐れ知らずでいることが大切だと人生から教えられた。このことが、ピッチ上での彼の成熟度や、プレミアリーグで最も印象的なミッドフィルダーの一人となり、ハリー・ケインには悪いが今シーズンのトッテナムのベストプレーヤーとなった粘り強さにつながっているのだろう。

ベンタンクールは、イングランドでの9ヶ月間のほとんどの期間、注目のスポットライトを避けながら仕事をすることができた。彼よりも明らかにスリリングなデヤン・クルゼフスキと同じ日に移籍を決定し、ルイス・スアレスやエディンソン・カバーニ、フェデリコ・バルベルデなどの世界的スターとウルグアイ代表でドレッシング・ルームを共有しながらほとんどのゴールとアシストに貢献せず、YouTubeに恐ろしいユーロダンスのサウンドトラックをBGMとしたプレーダイジェストが載せられることもなかった。

今日スパーズでも、中盤のパートナーであるピエール・エミール・ホイヴィアの方に注目が集まることが多い。ベーコン・パンツを履いて野犬に追いかけられるように、汗だくになってピッチを駆け回る選手だ。

特に、トッテナムの中盤は、アントニオ・コンテの「縄文式カウンターアタック」によって、しばしばストレスと過剰な緊張を強いられ、分子レベルの薄さまで打ちのめされているように見えてしまうのだ。しかし、ベンタンクールをコンテ・ボールの犠牲者と見るのは、問題を完全に取り違えている。それどころか、彼はそれを成功させている男なのだ。

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