これまでのキャリア
ヴィオは2008年に本業の銀行員からカターニャのテクニカルコーチに転身した後、パレルモ、USトリエンティーナ、フィオレンティーナ、ACミラン、ブレントフォード、リーズ、カリアリ、SPAL、そしてイタリア代表で働き、長年にわたってその働きで素晴らしい評判を築きあげてきた。
カターニャでは、14年前に元イタリア代表ゴールキーパーのワルテル・ゼンガに雇われ、「小さな魔法使い」と呼ばれるようになった。そのシーズン、チームは44ゴールのうち17ゴールをセットプレーから記録し、セリエBへの降格を免れた。
フィオレンティーナ、ACミラン、ブレントフォード、リーズで経験を積み、セリエAやイングランドでの実力を高めたが、最も大きな功績を残したのは間違いなく昨夏のイタリア代表だろう。ロベルト・マンチーニ率いるアッズーリが、ヴィオの指導によってフリーキックやコーナーからの4830種類のルーティンを駆使し、ユーロ2020王者への駆け上がったのである。
スパーズ・ファンがエキサイトすべき理由
ヴィオは、約12ヶ月前にイタリア代表のユーロ制覇に貢献しただけでなく、セットプレーの分野における知識と専門性が大舞台でも通用することを証明しており、国内およびヨーロッパの大会で大きな前進を遂げようとしている新シーズンのスパーズに魔法をかけることができるはずだ。
ヴィオはフリーキックを各クラブにいる選手個々の長所に合わせることができるのだが、イタリアがユーロ2020で成功を収めた後の2021年9月、イタリアの出版社『La Nuova di Venezia』のインタビューでその点についての自身の考えを述べている。
「所属選手を分析し、彼らのスキルに合わせた解決策を見つける必要がある。ゲームの読みが特別な選手もいる。その能力における最高レベルでは、セルヒオ・ラモスが思い浮かぶね。彼はどこにボールを置いても、必ずその先にある道を見つけることができる。セットプレーを仕留めるには、タイミングが一番重要なんだ」
昨シーズンのプレミアリーグではマンチェスター・シティとリバプールがセットプレーからのゴール数でトップ2だったのに対し、スパーズは14位にとどまっている。コンテはこの2チームとの差を縮めようとしており、ヴィオの加入とセットプレーからのより大きな成果が、極めて重要であることを証明するかもしれない。