スパーズでケインがトップチームに昇格してからの試合で、ケインなしでより良いプレーをしていたと主張するのは不誠実かもしれないが、当時の最も注目に値する業績、2019年のチャンピオンズリーグ決勝進出はケインが負傷したときにもたらされた。
ケインは準決勝のアヤックス戦の2試合と、ベスト8のマンチェスター・シティとの第2戦を欠場した。彼はリバプールとの決勝戦で復帰したが、スパーズは0-2で敗れ、これまでの勢いは影を潜めた。それほど重要ではないが、2018年4月のチェルシー戦での28年ぶりの勝利など、過去9シーズンでスパーズがケインの負傷離脱中に調子を上げた例は他にもある。
Cirilliシリリの考えの一部は、上手くいかないチームはスターに依存しすぎている傾向があるというものであり、スパーズとケインにも同様の事例がある。
昨シーズン、ケインはクラブのプレミアリーグでのゴールの43パーセント以上（70ゴール中30ゴール）を記録し、アントニオ・コンテのチームが攻撃を繰り出したほぼすべての瞬間にその中心にいた。
監督の厳しい発言と味気ない戦術に直面して徐々に自信を失っていた残りのチームメンバーにとって、クラブ記録を樹立するゴール・スコアラーの後ろに隠れることは簡単だったに違いない。実際、ケインはまさに並外れた選手であり、背番号9でありながら背番号10のスペースにドロップしてプレーする達人である。彼はスパーズにある種のプレー・スタイルをほぼ強制し、チームに常に彼を通してプレーすることを要求した。
おそらくこれが、昨シーズンにチームメイトのほぼ全員が本来の力を発揮できなかった中で、彼だけが非常に優れていた理由の一部だろう。
彼が去った今、スパーズはすでにより機能しているチームのように見え、リシャルリソンはブレントフォード戦とユナイテッド戦で苦戦したものの、もともとタッチ数の少なさと意欲的なプレスによって相手のセンターバックを威圧することを好むこのブラジル人の資質を考えると、実際には長期的にはポステコグルーのアプローチにより適しているかもしれない。
