トッテナムがハリー・ケインなしでも成功できるという希望を「ユーイング理論」が証明する

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現在のスパーズは、新時代に向けて期待できる初期の兆候が見えている。

Evening Standard/Dan Kilpatrick

トッテナムがマンチェスター・ユナイテッドに心強い勝利を収めたことは、ハリー・ケインの退団からの脱却にこれまで予想されていたほど時間はかからないかもしれないことを示唆した。無論、このイングランド代表キャプテンがアンジ・ポステコグルー率いるアタッカー陣でどれだけのゴールを決めることができたのかを妄想するのは自由だろう。

実際のところ、少なくとも「ユーイング理論」の支持者らによれば、ケインをバイエルン・ミュンヘンに失ったことは、ここ数年でスパーズに起こる最良の出来事となるかもしれない。

この理論は 90 年代半ばにDave Cirilliによって確立され、彼の友人である米国の有名なスポーツライターであるBill Simmonsによって広められた。

Cirilliは、バスケットボールの名手パトリック・ユーイングの所属したジョージタウン大学とニューヨーク・ニックスからこの理論を生み出した。ジャマイカ系アメリカ人であるパトリック・ユーイングが両チームのスター選手であるにもかかわらず、彼がいないときの方が不可解にもチームのプレーが良かったことを見抜いた。

CirilliとSimmonsは、主力選手が去った後、弱かったチームが勝ち続けるという他の多くの実例をすべてアメリカン・スポーツで特定し、そうしてこの理論が生まれた。

  • 1.スター選手はメディアの注目やファンの関心を過剰に集めるが、そういったスターが引っ張るチームは何か大きなものを勝ち取ることはない
  • 2.その選手がチームを去ると、メディアもファンもすぐに次のシーズンのチームへの期待を萎えさせてしまう

明らかに、両方の条件がスパーズと、10年近くクラブの看板選手でありメディアやサポーターの寵児であったケインに当てはまる。おそらく、スパーズがケインを売却したことで今シーズンの期待が消滅したと言うのは言い過ぎかもしれないが、ジャーナリストや専門家によるシーズン前の予想を中心にケインの去就が注目されており、長年に渡って「成功のシーズン」のベンチマークとされたトップ4入りを予想する人はほとんどいなかった。

では、この「ユーイング理論」はスパーズにも当てはまるのだろうか? 確かに、その可能性があると考える理由がある。

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