Evening Standard/Dan Kilpatrick
アントニオ・コンテが日曜日にホットスパー・ウェイに戻り、最初に行った仕事は、トッテナムの選手とスタッフの気持ちを高めることだった。
しかし、先週のシェフィールド・ユナイテッドでのFAカップ敗退、そして土曜日のウルブズ戦の敗戦によって、スパーズのシーズンはさらに萎んでしまった。
サンシーロでの1-0というファーストレグのスコアを覆すことができれば、ある程度の楽観性を取り戻すことができるだろうが、スパーズがタイトルなしでシーズンを終える可能性が高く、コンテ、ハリー・ケイン、ファビオ・パラティチ、さらにはクラブのオーナーの将来がほとんど定まらないまま、今シーズンも彷徨い続け、サポーターの間に無関心が生まれる危険性が高まっているのである。
クリスティアン・ステッリーニが監督代行を務めて以降、スパーズの低迷する奇妙なシーズンが好転するという期待が一時的に浮上したが、この連敗により、クラブの経営陣の野心からチーム戦力の質、コンテの戦術、チーム選考、交代カードの切り方に至るまで、さらなる疑問を投げかけられた。
モリニューでのスパーズはキックオフから60分間、良いプレーを見せたが（その「良いプレー」のハードルは徐々に低くなっているものの）、ステッリーニと自宅で観戦していたコンテは、決勝点を決めたアダマ・トラオレを投入するなど見事に交代カードを切っていたフレン・ロペテギの策略に対応することができず敗れた。
つまり、コンテはよくある問題に直面しているのであり、その多くは彼自身が作り出したものである。1つの疑問は、コンテ自身が療養によって変わったかどうか、特に離脱していた期間が彼の気持ちをリセットするために機能したかどうか、あるいは何らかの形でこれまでの考え方を変えたかどうかだ。
コンテとスパーズは、ここままいけばシーズン終了後には契約満了で袂を分かつことになっており、胆のうの手術から回復しするための自宅療養は、このノースロンドンでの仕事に区切りをつけたいという気持ちをより強くしたのかもしれない。
コンテは2021年11月にスパーズの監督に就任して以来、ロンドンのホテルのスイートルームで暮らしているが、トリノにいる妻や娘と離れての生活は困難である。特に3人の親友を亡くし、自身も急病に倒れるなど、苦しいシーズンであればなおさらだ。
今週、イタリアのメディアを前にした（ACミラン戦での）セルフ・プロモーションへの準備を進める53歳のコンテが故郷の近くでの生活を望むのは理解できるし、特にこの酷い1年を経て、夏に個人的な理由でクラブを退団するにしても、それを恨む人はほとんどいないだろう。
一方、今回の離脱期間は彼の心を豊かにするのだろうか？ステッリーニのもとでスパーズがマンチェスター・シティ、ウェストハム、チェルシーに勝利するのを遠くから見つめていて、コンテは自分が持っているチーム戦力に対する評価を高めたのだろうか？
