このフォワードが加入することによって「崖っぷち」に置かれるトッテナムの選手たち…
Evening Standard/Dan Kilpatrick
トッテナムにとって、沈みゆくエバートンからの移籍取引を乗っ取ることは、「移籍戦略」と呼ぶにはふさわしくないが、アルノー・ダンジュマにはお勧めできる点がたくさんある。
ダンジュマは、エバートンとの契約条件に同意し、メディカル検査を完了したにもかかわらず、ビジャレアルからのスパーズへのローン移籍に向かうことになった。このウィンガーは、フランク・ランパードの解任に冷や水を浴びせられたと考えられており、そこでスパーズが飛びついたのである。
このオランダ人は、昨年、ウナイ・エメリ監督のもとでチャンピオンズリーグ準決勝に進出したビジャレアルの主力メンバーだった。
かつてクラブ・ブルージュでチャンピオンズリーグにも出場し、ボーンマスで1年間プレミアリーグを経験したフォワードは、ラ・リーガでも同様に印象を残すパフォーマンスで、昨シーズンは23試合に出場して10ゴール、3アシストという成績を残した。
今シーズンは、怪我や10月にエメリがアストンヴィラに移ったこともあり、わずか6試合の出場にとどまっている。
左ウイング、またはセンターフォワードとして、相手を突破することを好むダンジュマは、その悲惨なフォームが改善する気配を見せないソン・フンミンにとってポジション争いの最大の脅威となる。ソンは月曜日にフラムでハリー・ケインの決勝ゴールをアシストしたが、それは30歳の韓国人が自分のポジションを復調してきたリシャルリソンが脅かしていたことによるものともとれた。
ベンチで過ごす時間がソンに恩恵を与えることもありそうだが、もう一人の両利きのウィンガーが現れたことで、ソンの長期的な未来に疑問符がつくかもしれない。
ダンジュマの獲得によって、ルーカス・モウラが今月中に退団するか、ブライアン・ヒルがスペインに戻る可能性がある。
しかし、おそらく最大の疑問は、ダンジュマが本当にアントニオ・コンテの望んだ補強なのか、それともご都合主義のクラブ・ビジネスなのかということだろう。スパーズの指揮官はすでに、クラブ主導で選手を買うことの危険性を実証しており、コンテによって「クラブの補強」と明かされたジェド・スペンスは、夏にスパーズに1500万ポンドで加入して以来、まだ初先発の機会を待っている状況だ。
コンテは長らくベンチに攻撃のオプションが不足していることを嘆いているため、ダンジュマはチーム戦力を厚みを与える必要な戦力となるだろう。しかし、左サイドからの攻撃を好む3番手のフォワードを獲得したところで、コンテのチームが抱える他の問題を解決することはほぼない。