グラハム・ポッターのチェルシーへの移籍はフットボール界では常に資金力が賢明さを凌駕することを証明した

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Guardian/Jonathan Wilson

ブライトンでの抜け目ない指導歴の先にあった夢は、肉厚の資本によって実現することになるが、このチャンスをつかんだ監督を誰も責めることはできない。

現代の世界的なフットボールへの執着には、うんざりすることがある。なぜ、これほど多くの人々が、多くの場所で、これほどまでに関心を寄せるのか。ロナウド原理主義者、ノースウェスト(リバプールやマンチェスター周辺)出身の審判が多いという陰謀論など、終わりのない論争に駆り立てるものは何なのだろうか?なぜ、エネルギー危機の深刻化やインフレの激化、新首相への憂慮など、より差し迫った問題ではなく、このようなフットボールの問題に焦点が当てられているのだろうか。ウクライナの反攻戦術よりも、エリック・テンハグがアヤックスの原則に妥協していることの方が気になるのはなぜだろうか?

そして、このような週を過ごしていると、プレミアリーグは史上最高のドラマであることに気づかされる。そして、最高の文学のように、その中には盛りだくさんのコンテンツが含まれている。一方で、警告がある。哀れなブライトンだ。ヘッジファンドや公的投資ファンド、首長、オリガルヒ、税金逃れの富裕層がオーナーでない数少ないクラブの一つだ。子供の頃からのクラブのファンである地元出身者がオーナーだ。何年もかけて計画を立て、それを実行に移している。優秀な人材採用部門を培っている。自分のモデルに合う、革新的で控えめな監督を見つける。しかし、1つだけ足りない。チャンスを生かしきれていないのだ。

しかし、ある日突然、そのチャンスをものにすることができた。オールド・トラッフォードで史上初めて勝利を収めた。コンパクトでよくまとまったチーム。レスターに5点差をつけ、順位表は4位と首位とは2ポイント差だ。さすがにそこまではありえないかもしれないが、今シーズンは奇妙なシーズンだ。カレンダーは不条理に圧縮されている。ヨーロッパ大会には参加していない。シーズンを中断するワールドカップに参加する選手もこのチームにはそれほど多くはないだろう。可能性は低いが、もしかしたら…来シーズンのヨーロッパリーグやチャンピオンズリーグに出場できるかもしれないし、レスターのような栄光のおとぎ話を再現できる可能性もほんの少しはあるかもしれない…。

ズドーン!

資金力という肉厚の拳が降ってきた。もう夢見るのはやめよう。アルフ・ラムジーがイプスウィッチをタイトルに導いた60年代とは違うのだ。ブライアン・クラフがダービーとノッティンガム・フォレストでリーグ優勝を果たした70年代でもない。グレアム・テイラーがワトフォードを2位に押し上げた80年代でもない。わずかでも有望な兆候があれば、超富裕層に食い荒らされなければならないのが現代なのだ。

チェルシーに移籍したグラハム・ポッターを責めることはできないし、夏に移籍したマルク・ククレジャやトッテナムに移籍したイブ・ビスマを責めることもできない。ポッターがスウォンジーを離れ、ブライトンに移籍したように、トロフィーを獲得するには明確な梯子があり、それを登らなければならない。しかし、どんなに頭がよくても、フットボールは金がものを言う世界だということがわかると、憂鬱になってしまう。

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