クルゼフスキにとってイングランドでプレーすることは、プレミアリーグの土曜日の試合をテレビで観戦していたスウェーデンで過ごした幼少期から、ずっと憧れていたことだった。クルゼフスキが所属していたIFブロマポイカルナのユース時代の親友ヨエル・アソロは、10代でサンダーランドに移り住み、定期的にイングランドのノースイースト地方での生活について若き日のクルゼフスキに話をしていたという。
クルゼセフスキとアソロは、北欧を離れる移籍を運命づけられていた。
スウェーデンで移民の子として生まれたズラタン・イブラヒモビッチの影響も受けている。クルゼフスキの父親は北マケドニアのオフリド出身で、この若き天才フットボーラーはマケドニア（現・北マケドニア）のユース代表でプレーした後、スウェーデン代表に移ることになった。16歳の時に少額の移籍金でアタランタに加入した時、IFブロマポイカルナのディレクターの一人はそれを「誘拐」と呼んだ。
スウェーデン語、マケドニア語、英語、イタリア語、ドイツ語の5ヶ国を話すクルゼフスキは、当時のイタリアでしばらくホームシックになった。しかし、チームメイトのリリンド・ニボカジ（コソボ人、現在はスイスのキアッソでプレー）と親交を深めることで、落ち着きを取り戻すことができた。
パルマでは、大きな可能性を秘めた選手として注目されるようになった。トリノに戻ると、イタリアのマエストロ、アンドレア・ピルロが指揮を執るユベントスに合流した。
当時をクルゼフスキは振り返る。
「彼は、自分がどこにボールを出すかを相手に見せずに、いかに体の形を整えてパスを探すかということをよく話してくれたよ」
しかし、アッレグリが監督に就任し、彼が出番を失うと、スパーズへの移籍はパラティティの連絡帳にその詳細が載っていたことによるものだという見方もあった。アントニオ・コンテのシステムにとってクルゼフスキはうってつけの存在であり、ケインとソンのフォワード・ラインを補完する存在に見えた。
コンテはセリエAに復帰し、その強烈なスタイルでスクデットを獲得しており、クルゼフスキはそのコンテの評判を知り尽くしていた。コンテのチームの一員になったことについては、「チャレンジすることが好きだった」とクルゼフスキ。スパーズはチャンピオンズリーグという目標を達成したが、彼のガールフレンドは、シーズン中に新しいチームに入るのは変だと言った。
特にロサンゼルス・レイカーズに所属するレブロン・ジェームズの大ファンであるクルゼフスキは、イングランドでのピッチを上下に激しく駆け回るスタイルに適しており、日曜日のノッティンガム・フォレストとの試合では、スパーズがシーズン無敗スタートを継続するために、そこからたくさんの攻撃が生み出されることが約束されている。
今シーズンのスパーズがどこまでやれるのかを、彼は慎重に語っている。果たして、タイトルへの挑戦は可能なのだろうか？その挑戦の中心にいるのがこの意外なヒーローだ。
