プレミアリーグに憧れたスウェーデンの赤毛の青年デヤン・クルゼフスキが「ヘビー級」のアタッカーに

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Telegraph/Mike McGrath

イングランドでプレーすることは、土曜日の試合をテレビで見て育ったスウェーデン人にとっての野望だった。

デヤン・クルゼフスキの名前が最初にトッテナムのリクルート会議で出たとき、彼はプレミアリーグの「ヘビー級」というより、むしろ「平衡錘(へいこうすい)」として言及された。彼の所属するユベントスは、タンギ・エンドンベレに興味を示しており、このスウェーデン人ウインガーがそのトレードとして他の方向へ行くことが提案の一部となった。

スパーズでのエンドンベレの序列は落ち、クルゼフスキはマッシミリアーノ・アッレグリのもとでプレー機会を減らしていたため、この取引はすべての関係者にとっての解決策と考えられていた。そしてユベントスが補強ターゲットをスイス代表のデニス・ザカリアに変えても、スパーズからのクルゼフスキへの関心は残ったままだった。

トッテナムのフットボール部門のマネージング・ディレクターであるファビオ・パラティチは、ユーベに在籍していた10年の間にアタランタからクルセフスキを獲得し、パルマにローン移籍させてその成長ぶりを見守っていた。この控えめなジンジャー(赤毛の)・フォワードは、マタイス・デリフト、サンドロ・トナーリ、ニコロ・ザニオーロを抑えてセリエAのヤング・プレーヤー・オブ・ザ・イヤーに選出されている。

スパーズでは、彼のトランジションにおけるスピードに難色を示していたが、マンチェスター・シティ戦で先発デビューして先制ゴールを決め、さらにハリー・ケインの決勝点をお膳立てする活躍を披露すると、彼のイングランドのフットボールに適応に対する懸念はすぐに消え去った。

ケインはプレミアリーグのセンターフォワードとして史上最高のパフォーマンスを披露し、賞賛を浴びたが、ソン・フンミンもそれに追随した。おかげで、1月にローンでやってきたパラティチが発掘した逸材への評価は、影を潜めてしまった。

昨シーズン、期待を大きく裏切ってチャンピオンズリーグ出場権を獲得に多大な貢献をしたクルゼフスキに、スパーズのファンから「ユベントスから来たスウェーデンのジンジャーは、ウイングでプレーする」と、有名なABBAの曲に合わせて賛辞が贈られたものだった。

彼は、プレミアリーグのアンチヒーローのような存在で、現代のウィンガーというよりは、昔ながらのインサイドフォワードのような役割を担っている。多くの選手が圧倒的なスピードを生かすなかで、クルゼフスキは強靭な脚力で中へ切れ込み、パスを供給する。スパーズがトップ4に入った昨シーズン、彼はわずか18試合で5ゴール、8アシストと、プレミアリーグのトップレベルのフォワードに遜色ない記録を打ち立てた。

クルゼフスキは、新しい環境を楽しんでいるようだ。

「(プレミアリーグは)まさしく『ショー』なんだよ。自分の持っているものをすべて披露する舞台のようなものだ」

「審判はファウルでも笛を吹かないけど、今はそれにも慣れたね。試合は流れが重視されるんだ」

また、イタリアの芝生に比べ、イングランドのトップリーグでは手入れの行き届いたピッチの恩恵を受けているそうだ。

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