トッテナムのサポーターたちは、ボールがムサ・シソコの胸に当たってから次に腕に当たったにも関わらず、自陣のペナルティ・エリア内で手でボールを処理したとしてVARでPKの判定が下された2019年のチャンピオンズリーグ・ファイナルのリバァプール戦が再び行われることを間違いなく望むだろう。その夜、マドリードでトッテナムの守備ラインで先発出場していたヤン・フェルトンゲンは、チャンピオンズリーグ・ファイナルを再試合すべきだというファンのX(元Twitter)での投稿をリポスト(元リツイート)し、「僕も同意」と投稿して、あの決勝の再戦を楽しみにしていると明言した。
かつてトッテナムのミッドフィールダーとして活躍したペドロ・メンデスは、2005年1月のマンチェスター・ユナイテッド戦でハーフ・ウェイライン付近から放ったシュートがゴールラインをかなり越えたにもかかわらずゴールが誤って取り消された悪夢がよみがえり、再びオールド・トラフォードのピッチに立ちたいと思うかもしれない。最近のトッテナムの例では、シェフィールド・ユナイテッド戦でのハリー・ケインのゴールが取り消されたものもある。このゴールは、つまずいて至近距離からルーカス・モウラの腕に当たったために、ルーカス・モウラのハンドによって取り消された。ニューカッスル戦では、最後の数秒でエリック・ダイアーがハンドによってPKを献上し、トッテナムは勝ち点3を取り逃して引き分けることになった。
トッテナムとリバプールの試合を再試合するという決定は、非常に危険な前例を作ることになるだけでなく、その過程で蜂の巣を突付くことになるだろう。シーズン中にはクラブが再試合を求めたくなるような試合が数え切れないほどあり、今後、毎週のように要求が上がるのは間違いない。
土曜日のトッテナム戦の34分に起こった象徴的な判定のミスのせいでリバプールが憤慨するのは当然の権利であり、重大な判定が自分たちに不利なものであれば世界中のどのクラブも同様だろう。しかし、このような判定のミスは残念ながらフットボールでは起こるものだ。
このような重大なエラーが起こるのは今回の一度だけであることを願うばかりだ。なぜなら、このような間違いは二度と起こりえないからだ。クロップとリバプールは再試合を好きなだけ要求することができるが、その願いがかなうまでには非常に長い時間がかかるだろう。
一つ確かなことは、このような不運なエラーのために再試合を導入する場合、彼らよりもより優先すべき多くのクラブが存在するということだ。今回の唯一の選択肢は、クロップとリバプールの全員が気持ちを切り替えて前に進み、この残念なエピソードを永久に忘れて、今後の試合に集中することだろう。