スパーズの選手たちはヘッドコーチに幻滅していた…それはサウサンプトンでの暴言だけではなかった。
Evening Standard/Dan Kilpatrick
トッテナムは、サウサンプトンで選手たちを激しく非難したことでアントニオ・コンテがドレッシング・ルームでの信頼を失い、クラブを再びトップ4フィニッシュへと導くチャンスはほぼ潰えたと考えて、プレミアリーグを10試合残して退任の決断を下した。
日曜日の夜、イタリア人指揮官は「双方合意の上」でスパーズを去り、代わりにアシスタントのクリスティアン・ステッリーニが監督代行に就任した。ステッリーニは、アナリストを務めていた実弟のジャンルカを除くコンテのコーチング・スタッフ全員のサポートを受けながら、シーズン最後の10試合を担当する。
先週、バイエルン・ミュンヘンを解雇されたユリアン・ナーゲルスマンが、この夏に正式監督に就く最有力候補であり、同じくフリーであるマウリシオ・ポチェッティーノとルイス・エンリケ、さらにブライトンのロベルト・デゼルビ、ブレントフォードのトーマス・フランク、アイントラハト・フランクフルトのオリヴァー・グラスナーも候補に名を連ねているかもしれない。
コンテの退任は、セント・メリーズで3-3の引き分けに終わったサウサンプトン戦の後、チームを「自分勝手」で「精神性とプロ意識に欠けている」と非難し、関係を悪化させてから1週間以上経ってからだった。
コンテは試合の翌日にイタリアに帰国し、そこからクラブに戻ってくる気配は全くなかった。スパーズのダニエル・レヴィ会長は、数日間の話し合いの後、日曜日の夜にようやく53歳のコンテの退団で合意した。
コンテは、1シーズンで約1500万ポンド(約24億円)の給与を得ており、スパーズが契約の残り期間(3ヶ月)の給与を支払うことに合意している場合、約400万ポンド(約6億5千万円)の補償金を得ることになる。レヴィとコンテの話し合いは、その支払いの条件と、現在4位につけているスパーズとの「トップ4入りのボーナス」に焦点を当てたと思われる。
レヴィは先週、チームの選手たちの大半がインターナショナル・ブレイクで不在のため、コンテの指揮を続けるか、すぐに正式監督の後任を雇うかを含め、さまざまな選択肢を検討した。
スパーズは、あの暴言は選手たちだけに向けられたものだというコンテの説明を受け入れ、昨シーズンのバーンリー戦での1-0の敗戦後など、以前に同類の暴言によってでドレッシングルームをやる気にさせたことがあることも認めたが、セインツ戦での発言内容はやり過ぎであり、選手たちに良い影響を与える見込みはほとんどないだろうという思いもあったようである。
選手の多くはコンテが解任されることを予想し、二度と一緒に仕事をする必要がないことを喜んでいたため、クラブは53歳のコンテと別れるしかないと考えた。選手たちは、コンテのマンネリ化したトレーニング、事前にスケジュールを決めないこと、公の場で結果の責任を選手たちに転嫁する癖に嫌気がさしていた。