Evening Standard/Dan Kilpatrick
アストンヴィラにホームで敗れたことでトッテナムは今シーズンのどん底に落ち、クオリティとインテンシティに欠けるパフォーマンスで観客席から怒りの声が上がった。
ダニエル・レヴィ会長に向けて「クラブから出て行け」という罵声が浴びせられ、アントニオ・コンテの采配にフラストレーションが溜まったファンからブーイングが向けられ、別の交代時には皮肉を込めて喝采が浴びせられた。
ブレントフォード戦の2-2のドローはお馴染みのパターンで、日曜日のヴィラ戦のパフォーマンスは、納得のいかない展開が続く今シーズンの中で最もお粗末なものだった。
この結果、コンテはクリスタルパレスへの遠征を前にプレッシャーを受け、クラブの方向性とアイデンティティについての新たな疑問が浮上している。アーセナルが首位を独走していることもあってムードは盛り上がらず、不吉なことにガナーズは1月15日にセブンシスターズ・ロードを北上する小旅行に出向くのである。
アーセナルの好調もスパーズのインスピレーションの源になっているだろう。長期間にわたってマネージャーをバックアップし、結果が乱れようともその時期を乗り切ることによって成果が出せることの証拠を示しているのだ。結局のところ、コンテはリバプールでのユルゲン・クロップやアーセナルでのミケル・アルテタのように、多くの移籍マーケットでクオリティの高い補強によってのみ成功することができると繰り返し述べており、日曜日にスパーズのヘッドコーチは「忍耐と時間」という言い回しを繰り返した。
今にして思えば、スパーズがライバルを出し抜いて4位を奪取したのは、クラブそれぞれの再建状態の誤ったイメージを描いたものだった。
アーセナルがアルテタのプロジェクトに3年以上費やしているのに対し、コンテはスパーズで14ヶ月間を経たのみで、公平に見て、チーム戦力は明らかに要求されるレベルにはなかったのだ。その証拠にスパーズはヴィラ戦でベンチに一人のアタッカーもいなかったのである。
アルテタ率いるアーセナルは、就任後、調子が不安定なシーズンを送り、トップ4から7ポイント差の9位で終わった。
クロップ率いるリバプールは就任から14ヶ月でようやくトップ4を争うようになり、最終的にはリーグ王者に勝ち点17ポイント差でドイツ人の初のフルシーズンを終えた。
スパーズのパフォーマンス、そしてコンテの戦術やマネジメントには確かに疑問があるが、痛みを伴う再建の中で、クラブは連続トップ4入りを目指しており、ACミランとのチャンピオンズリーグ・ベスト16を控えており、大局的には惨状とは言い難い状況である。
スパーズにとって重要なのは、怪我人の復帰と日程の緩和によって回復するはずの短期的な調子ではなく、このプロジェクトが長期的に実行可能かどうかという点である。
クロップ率いるリバプールやアルテタ率いるアーセナルの場合、クラブと監督の両方がそのプロセスに完全にコミットしていたが、現在のスパーズに同じようにいくかどうかについては疑問がある。