Evening Standard/Dan Kilpatrick
アントニオ・コンテの率いるスパーズが土曜日にウルブズ戦で1-0の勝利を収め、ベストの状態でプレーしなくても結果を出すことができるようになってきているようだ。
2試合連続で、ケインはコーナーからゴールを決め、セットプレー専任コーチのジャンニ・ヴィオが夏にコンテのスタッフに加わったことでの成果が出ていることを示唆している。
先週末の敵地でのチェルシー戦でアディショナルタイムにケインが同点ゴールを決めて2-2のドローに持ち込んだのと同様、スパーズは組織的で技術的に優れたウルブズ側に対して、長い間劣勢に立たされていた。
4月の時点では、このような試合展開を強いられた試合で引き分けか負けを余儀なくされたかもしれないが、このホームでの勝利は、後半にテンポを上げた後に勝ち点3を獲得する方法を見つけたことで、イタリア人のもとでメンタリティーが向上したことのさらなる証拠となった。
ケインのような不朽の名選手がチームを引っ張れば、それは当然助けになる。そのケインのゴールは彼自身とクラブにとって歴史的なものとなった。
ケインはこれで、セルヒオ・アグエロを抜いてプレミアリーグ通算250ゴール、さらにスパーズでの185ゴールとなり、1クラブでの最多ゴールを記録した。
64分、ソン・フンミンのコーナーからイヴァン・ペリシッチのニアでのフリックに、ケインは適切なタイミングで適切な場所にいた。この動きは、ヴィオの教科書に載っているものをトレーニンググラウンドで習得したようにも見える。
この勝利によって、コンテは開幕3試合で勝ち点7を獲得し、昨シーズンの同カードの戦績よりも7ポイント多く獲得したことになった。それはプレシーズンの間、マンチェスター・シティやリバプールに迫る最有力候補だとの楽観的なムードを証明するだけの安定した戦績ともいえる。
前半はウルブズの方が優勢で、ハーフタイム前の10分間に脅威を与えられたが、スパーズは負傷したクリスティアン・ロメロの代役を務めたダビンソン・サンチェスが守備を固め、3800万ポンドでデビューしたマテウス・ヌネスを含む才能ある中盤と互角に渡り合うことができた。
そして、ベストな状態でなくとも、スパーズのフォワードは常に脅威である。ソンはのシュートはポストを叩き、デヤン・クルセフは相手を威嚇し、ベンチ入りしたリシャルリソンはピッチに入るととても生き生きとプレーしていた。
スパーズにダメ出しすべき点があるとすれば、それは前半の45分間のプレーぶりだろう。この試合は土曜日の午後12時半のキックオフによくある平坦な展開だったが、2020年と今年2月にここで勝利した相手に対して、コンテのスパーズがあまりにも相手の術中にハマり過ぎていた点が疑問が残る。
4月のブライトン戦とブレントフォード戦では、スパーズの前線の3人がスペースと時間を奪われれば、練度の高いチームに抑え込まれることが証明されてしまった。今回、ペリシッチが先発デビューを飾ったものの、当時からコンテの先発メンバーはそれほど大きくは変わっていない。
コンテは3-4-3システムからの変更に消極的だったが、中盤に創造的なミッドフィルダーを置かないスパーズは、ウルブズの列をなした4枚の壁を突破するのが難しいことが分かっていた。