ファンの期待を裏切り、トッテナムがマウリシオ・ポチェッティーノの復帰を拒んだ理由

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ポチェッティーノの復帰を選択しなかったダニエル・レヴィは、チェルシーがその恩恵を受けるかもしれないという大きな賭けに出る。

Evening Standard/Dan Kilpatrick

トッテナム・ファンは今シーズン、いくつかの絶望的な時間を経験したが、多くの人にとってマウリシオ・ポチェッティーノがチェルシーの監督に就任するというシナリオに匹敵するほどの絶望はないだろう。

かつてスパーズで絶大な人気を誇ったポチェッティーノが、クラブが現監督のもとで順調に歩んでいるときでさえ、ライバル・クラブの指揮を執ることになれば、それは十分に不快なことである。しかし、現在のスパーズは監督を欠いており、このアルゼンチン人は愛する古巣であるクラブへの復帰に前向きであった。

しかし、ダニエル・レヴィは、プレミアリーグになってからトッテナムで最も成功した指揮官を呼び戻すことは拒否した。ある情報筋によると、スパーズの会長はポチェッティーノを呼び戻す可能性を巡って「本人に打診をする」一歩手前まで行ったが、2019年に解任されて以来、2人は連絡を取り合っているものの、51歳の指揮官と契約することはなかった。

レヴィとポチェッティーノは2021年にも再共闘する可能性がちらついたが、パリ・サンジェルマンと契約中であったポチェッティーノは、当時、新天地としてレアル・マドリードを望んでいた。そして当時、両者の再会は叶わずヌーノ・エスピリト・サントが監督の座に収まった。

ポチェッティーノはビッグクラブでの経験を持ち、魅力的なフットボールをすることに定評があり、スターの選手たちの管理においても、若手の育成においてお手の物だ。

しかし、レヴィ会長は、2014年のポチェッティーノのような、若く、ハングリーで、新進気鋭の監督を探しており、会長に近い関係者は、2023年のポチェッティーノはそのプロフィールには当てはまらないと判断したと明かしている。ポチェッティーノはもう10年近く年を取っており、経験は豊富だが、明らかに当時とは異なる指導者だ。しかし、もっと重要なのは、ポチェッティーノの明白なクオリティにもかかわらず、フットボールにおいて過去のやり方に戻して上手くいくことはほとんどないことをレヴィは理由にあげるはずだ。

情報筋によれば、レヴィは感情に過度に左右されることを望んでおらず、クラブには成績が低迷し、雰囲気が悪化したポチェッティーノの最後のシーズンに対する懸念があるとのことだ。

スパーズがポチェッティーノのもとでの最後の12ヶ月で歴史的なチャンピオンズリーグ決勝に進出したのは事実であるが、まさに監督が予見していた通り、「クラブの失敗」によってチーム戦力のリフレッシュを怠り、チーム内の雰囲気とフットボールのパフォーマンスが下降していった。

仮にレヴィがクラブの上層部を説得したとしても、ポチェッティーノが戻ってくることの是非をめぐってスパーズ内の意見は分裂し、前マネジング・ディレクターのファビオ・パラティチが作成した候補者リストには、エスパニョール、サウサンプトン、PSGの監督だったポチェッティーノの名前はなかった。

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