Football London/Rob Guest
ボーンマスを相手に信じられないような後半の逆転劇を見せ、3-2でバイタリティ・スタジアムを後にすることに成功した試合の主なトピック。
驚くべき逆転劇
トッテナム・ホットスパーは決して楽な勝ち方をしない。後半開始から4分後にキーファー・ムーアが強烈なヘディング・シュートを決めて2点差としたところで、プレミアリーグ3連敗を喫するかと思いきや、アントニオ・コンテ率いるチームは、そこから何とか勝ち点3を獲得した。
リーグ戦で上位陣との差を縮めるためにも、そしてチャンピオンズリーグのマルセイユ戦に向けて自信を深めるためにも、この勝利は必要だった。しかし、前半の戦いぶりを見る限り、スパーズが勝ち点3を手にしてサウスコーストを去ることはできないだろうと思われた。
スパーズの雑な守備を突いたボーンマスがムーアの見事なフィニッシュで先制ゴールを決めたが、スパーズは同点に追いつく気配はすくなく、相手キーパーのマーク・トラバースを脅かすような場面はほとんどなかった。前半終了間際にポストを叩いたときでさえ、マルコス・セネシがソン・フンミンのクロスを誤って処理してポストに当ててしまったことが原因だった。
エメルソン・ロイヤルのパスを受けたオリヴァー・スキップがニアへと強烈なシュートを放つと、さらにスパーズの前半はこのブラジル人がボックス内で反転しながら放ったボレー・シュートで総括された。このシュートはクロスバーを越えただけでなく、スティーブ・フレッチャー・スタンドの上空に舞っていった。ハーフタイムは、プレミアリーグ3連続で劣勢に立たされた状況で迎えることになった。
コンテは、2-0のリードを許したときでもまだ勝利を信じていたと、試合後の記者会見で語った。しかし、2-0というスコアはフットボール界では不思議なもので、ひとたびチームが点差を縮めれば、相手チームはすぐにパニックに陥り、勢いを失ってしまう。
それがまさにバイタリティ・スタジアムでも起こったのだ。ピエール・エミール・ホイヴィアの見事なスルーパスから、ライアン・セセニョンの低い弾道のシュートがゴール・ポストの内側に吸い込まれただ。その16分後、ベン・デイヴィスが交代出場のイヴァン・ペリシッチからの素晴らしいクロスを頭でゴールに押し込み、スパーズは同点に追いついた。
あとは決勝ゴールを待つばかりとなったが、スパーズがこの試合で初めてリードを奪うのは、5分間のアディショナルに入った2分後だった。ミッドウィークのスポルティング戦でヘディングによる重要なゴールを記録したロドリゴ・ベンタンクールは、この試合でもまずヘディング・シュートを放ち、それがブロックされた後に絶妙のタイミングで蹴り込んでゴールネットを揺らした。
ピッチ上、ベンチ、そしてスパーズ・ファンが詰めかけたアウェイのスタンドでも祝福が沸き起こり、素晴らしいファンたちが勝利の喜びを噛みしめていた。いつもならチームが得点すると大騒ぎするコンテだが、今回はトンネルに入り、ゴールが確定するのをそこで待った。ミッドウィークにハリー・ケインの終了間際の決勝ゴールが取り消されたことの再現を恐れたためだ。
「ゴールが認められたとわかってから戻ってきたよ。中2日で、またゴールが取り消されてしまったら、心臓発作を起こすかもしれないと心の中で思っていたんだ。私はトンネルを抜け、そこで冷静さを保ち、レフェリーの判断を待っていたんだ」