トッテナムが感動的なエリクセンの復帰から手を引いた賢明な理由 [WhoScored]

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そのシーズン、コンテは3-5-2システムを好み、エリクセンはマルセロ・ブロゾビッチとニコロ・バレッラとともに中盤の中央の3枚として起用された。そのトリオでの連携の中で、エリクセンは前に出て、ロメル・ルカクとラウタロ・マルティネスの2トップをサポートする役割を得た。昨年夏にACミランからインテルにやってきたハカン・チャルハノールが、現在インテルで果たしている役割と同じである。

しかし、スパーズで指揮を執って以来、コンテは3-4-3システムを好んで使ってきた。1月に加入したロドリゴ・ベンタンクールとデヤン・クルゼフスキの活躍により、スパーズはライバルのアーセナルを抑えてチャンピオンズリーグ出場権を得ることに成功した。クルゼフスキ、ソン・フンミン、ハリー・ケインのアタッカー・トリオからレギュラーの座を奪うことは難しいだろうが、さらにビスマの到着によって、コンテには、2つのスポットを争う4人のクオリティの高いセントラル・ミッドフィルダーが揃った。

つまり、理論的には、エリクセンがスパーズで即戦力となることはないだろう。エリクセンは多様な役割をこなすことができる選手であり、とりわけ深いラインを引いて守る相手との対戦では有効なオプションになるだろうが、実際のところ現在のコンテは、他の選手がファーストチョイスとなる明確なチーム構想を持っているのだ。エリクセンには堅固な守備ラインをこじ開ける攻撃のクオリティがあるが、一方で中盤の2枚のうちの1人として成功するための守備の規律を欠いている。

昨シーズンのプレミアリーグでのエリクセンの90分に平均1.2回のタックル成功数はその数字の見栄えは良いものの、一方で90分回に平均0.9回のドリブル突破を許してしまっていた。ブレントフォードではエリクセンが3人の中盤で同胞のクリスティアン・ノアゴールと並んでプレーしていたため、この数字が欠点として取り沙汰されることはあまりなかった。ノアゴールは昨シーズン、プレミアリーグでボール奪取数2位(159回)、タックル成功数1位(109回)を記録し、守備面での大きな貢献を果たし、エリクセンの守備の負担を大きく軽減させていたのだ。 

スパーズでは、2人の中盤を採用するため、あまりにもオープンすぎて、ディフェンスにプレッシャーをかけることになり、守備ラインがあまりにも無防備になってしまう。コンパクトな守備ラインを敷けばその脅威を撃退できるかもしれないが、スパーズが試合の主導権を握ることを犠牲にすることになり、その代償は大きい。

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