スパーズジャパンの考察
1. 「ファクト」を盾にしたロメロの知略
ロメロが「Disgraceful」という強い言葉を使いながらも、それ以上に「シニア選手が11人」という動かしようのない数字を強調した点は極めて巧妙だ。これが単なる暴言であればクラブは処分を下せるが、事実を述べている主将を罰すれば、フロントは自らの無策を認めることになり、ファンの暴動を招く。この情報戦において、ロメロは経営陣に対して完璧なチェックメイトを仕掛けたと言えるだろう。
2. 「夏の計画」という免罪符の限界
ヨハン・ランゲらが掲げる「夏の再編」は、理論上は正しいかもしれない。しかし、ゴールドが指摘した通り、現在の14位という順位は「明日」を語る余裕すらない危機的状況だ。3月のCL決戦を補強なしで戦い抜き、もしそこで惨敗を喫すれば、欧州コンペティション不在による魅力低下によって夏に目指すべき「より高いレベルの補強」自体が不可能になる。この「現在を犠牲にして未来を守る」という上層部の戦略が、解毒剤の効かない毒として現場のチームを蝕んでいる可能性があるだろう。
3. 現場のリーダーが示した「クラブの所有権」
今回の件で明白になったのは、「チームの魂」を握っているのはフロントではなく、ロメロのような「ピッチ上の戦士」たちであるという点だ。副主将マディソンやソランケ、そして新加入のギャラガーまでもがロメロに賛同した事実は、現場がフロントから心理的に独立し始めたことを示唆している。この内部での「断絶」は、今後フランクがチームを統率する上で最大の障害となるか、あるいは皮肉にも「フロントへの共通の敵意」としてチームを一つにまとめる奇妙な団結力を生むかもしれない。
