ドナ・カレンは2006年からスパーズの取締役を務めており、その退任決定は電子メールによりクラブ・スタッフに通知された。
The Telegraph/Matt Law
ダニエル・レヴィの右腕であったドナ・カレンが、トッテナム・ホットスパーの取締役を退任した。この動きは、クラブのENIC体制下におけるこれまでで最大の変革と、新たな出資の可能性を示唆するものである。
かつてアーセナルで幹部を務めたヴィナイ・ヴェンカテシャムが、ノースロンドンのライバルであるトッテナムのCEOとして業務を開始したその日に、カレンの退任がTelegraph Sportにより報じられ、クラブもこれを正式に認めた。
カレンの退任は、今後予定されている多数の変更の一つになると見られており、アンジ・ポステコグルーが解任されるか否かの決定を未だ待っている中で、フットボール部門責任者であるスコット・マンの去就にも疑念が生じており、オペレーション兼財務担当役員であるマシュー・コレコットの役割にも疑問が投げかけられている。
関係筋によれば、この大規模な改革は、ENICによる新たな資金注入、あるいは外部からの出資を前提とした序章となる可能性があるという。ENICは2001年の買収から2024年6月までの間に、合計で1億2210万ポンドのオーナー出資を行ってきた。これは年平均わずか530万ポンドである。そしてその大半は、2022年5月に発表された最大1億5000万ポンド規模の増資の一部として行われた9750万ポンドから来ている。
ENICによる9750万ポンドの増資以降、より多くのオーナー出資を受けたイングランドのクラブは13チームにのぼり、ライバルであるアストンヴィラのオーナー陣は、2018年の買収以降、6億ポンド以上をクラブに注ぎ込んでいる。
ENICは今年1月にも3500万ポンドの出資を行ったが、レヴィは、クラブが生み出した資金以外は使わないと明言しており、現在の移籍収支はマイナス2億7930万ポンドに達している。
チャンピオンズリーグ出場権の獲得と、ファイナンシャル・サステナビリティ・ルール上であと2億ポンドの余地があるとはいえ、ENICあるいは外部からの出資がない限り、今夏は「売ってから買う」立場に置かれることになる。