クリス・ワドル、スチュアート・ピアース、ギャレス・サウスゲートらが過去にイングランド代表で決定的なPKを外したことからもわかる通り、ケインのPKのミスは残念ながら永遠に彼の心に残り続けるだろう。トッテナムのピッチに戻り、相手ゴール前でベストを尽くすことが、この思いを払拭する鍵になるはずだ。
「ハリーにとって今は本当に重要なことだが、彼だけでなく、ワールドカップに参加したすべての選手にとって、この素晴らしい経験を忘れ去ることはできない。だが、今はシーズンに集中しなければならない。なぜなら、シーズンが再び始まることは分かっていたからだ」
「我々はここからベストを尽くしたい。シーズンは本当に難しいものになるだろう。1位から4位までの順位表には、ユナイテッドもリバプールもチェルシーもない。だからこそ、選手たちは本当に集中しなければならないんだよ」
「ハリーは我々にとって最も重要な選手だ。ワールドクラスのストライカーであり、彼はあらゆる記録を塗り替えてゴールを決めている。私の期待も同じで、これからもそれを続けてほしいと思っているよ。彼は我々のストライカーであり、私や選手、スタッフやファンにとって重要な存在なんだ。でも、彼は準備ができている。彼はシーズン後半に再びスタートする準備ができているよ」
「どの選手も大きなモチベーションを持たなければならない。ハリーのようにPKを外しても、ウーゴのように決勝で負けてもね。それはロメロにとっても同じことだ。勝ってリラックスすることもある。これは、コインの表と裏の顔なんだ」
「だから、ワールドカップは過去のこととして、今はこれから先のことを築き上げるためにここにいるのだから、集中することが大切だよ」
水曜日の夜、ニース戦のハーフタイムにトッテナムのドレッシング・ルームにいたチームメイトを驚かせたケインは、翌日からボクシング・デーのブレントフォード戦に向けてトレーニング・ピッチに戻ってきた。指導者であればケインに掛ける言葉を選ぶところであろうが、コンテはケインが強い人間であり、完璧な対応策を知っているため、今回のPKの失敗についてケインとは話していないと明かした。
ケインとあのPK失敗について何か話したかを問われたコンテは次のように答えた。
「正直に言うと、何も話してないよ」
「自分が選手だったころの経験でも、ネガティブなことは起こるんだ。(周りも)何が起こったかは知っているはずだ。心配するなと声をかけてくれる人を探すのは、それほど重要なことじゃない」
「我々は強いんだ。このレベルでプレーするときは、強い人間でなければならない。ネガティブな出来事には、正しい方法で対処しなければなりません。ハリーは強い人間だよ。私も選手時代は強い人間だった。私にとっては、何も言わず、変に正当化しようとしない方がいいんだ。重要な選手について話しているのだから、彼らは対応の仕方を知っているんだよ」