トッテナムはプレミアリーグ残留を死守するための最後の一手として、ロベルト・デゼルビを指揮官に任命した。17位に沈み、降格圏までわずか勝ち点1差という極限状態の中、4月12日のサンダーランド戦に向けて陣容の再編が急務となっている。『Standard Sport』のサム・タブトー記者の最新のレポートによると、イタリア人知将の就任によって恩恵を受ける選手と、プレースタイルの不適合から苦境に立たされる選手の明暗が分かれつつある。新体制での成功と挫折を占う「3名の勝者と3名の敗者」を明らかにする。
レポート:新体制がもたらす序列の激変
期待の「勝者」:シャビ・シモンズ、ロメロ、ベリヴァル
デゼルビ就任で最も大きな恩恵を受けるのはシャビ・シモンズだ。トゥドール前体制下では信頼を勝ち取れず、直近のリーグ戦3試合で先発を外れていたが、デゼルビが好む4-2-3-1のトップ下(10番)として、その創造性を解禁される見込みだ。マディソンやクルゼフスキが負傷離脱を続ける中、22歳のオランダ代表が攻撃の全権を握ることになる。
また、出場停止で不在がちだったキャプテンのロメロも、デゼルビの下での名誉挽回を期している。5試合で13失点を喫した守備陣を立て直すために、キャプテンのリーダーシップは不可欠だ。さらに、20歳のルーカス・ベリヴァルも勝者に数えられる。デゼルビは機動力があり、ライン間を繋ぐことのできるミッドフィルダーを好むため、ベリヴァルのエネルギーとボールを前進させる技術は新体制の戦術に合致する。
苦境の「敗者」:パリーニャ、コロ・ムアニ、スペンス
一方で、戦術の変更によって居場所を失う懸念があるのがジョアン・パリーニャだ。今季、陣容で最多のタックル数を記録している「クラッシャー」だが、ポゼッションを重視するデゼルビの要求するパスの質とビルドアップ能力において不足があると見なされている。また、トゥドールとの旧知の仲であったコロ・ムアニも、デゼルビが1トップでの運用を好むことから、ソランケやリシャルリソンとの激しい競争にさらされる。
さらに、今季奮闘してきたジェド・スペンスは、ウドギが負傷から復帰したことで、本職のサイドバックの層が厚くなり、出場機会が激減する可能性が高い。デゼルビは、同郷のウドギをより攻撃的な役割で起用することを検討しており、スペンスには厳しい現実が待ち受けている。
記事解説
システムの回帰と「自由」の代償
デゼルビがブライトンで成功を収めた4-2-3-1を導入するならば、シャビ・シモンズの解放は論理的な帰結だ。しかし、このシステムは高いポゼッション率と引き換えに、カウンターへの脆弱性を孕んでいる。ジョアン・パリーニャを外し、より技術的なベリヴァルらを中盤に配する決断は、残留争いという泥臭い戦場において、守備の強度を損なうリスクを伴う。
ロメロやその相棒となるセンターバックには、個人のパフォーマンス向上だけでなく、こうした戦術的リスクを最後尾でカバーするインテンシティが求められる。単なる「勝者」という評価に甘んじることなく、新体制の音色をピッチ上で体現する責任が彼らにはある。
Quiz Cockerel
デゼルビ体制の選手評価
今回のレポートにおいて、デゼルビが好む「4-2-3-1」のシステム導入により、最も恩恵を受けると予測されている選手は誰か?
1. ジョアン・パリーニャ
2. シャビ・シモンズ
3. ジェド・スペンス
4. ランダル・コロ・ムアニ
正解:2
正解はシャビ・シモンズだ。トゥドール体制では冷遇されていたが、創造性豊かな「10番」を重用するデゼルビの戦術において、彼は攻撃の核として復活することが期待されている。アトレティコ戦でのゴールが証明したように、彼が試合を支配する力が残留への鍵となるだろう。

