/【コラム】道を誤ったポチェッティーノとスパーズが立たされる岐路

【コラム】道を誤ったポチェッティーノとスパーズが立たされる岐路

試合内容が全てを物語っていた。10代のアーロン・コノリーがブライトンの3点目となるゴールを決めた瞬間、ムサ・シソコはベンチの方に目を向けて、監督であるマウリシオ・ポチェッティーノがいる方向をじっと見つめていた。

また、ゴールから8ヤードの距離からシュートを外したハリー・ケインは、その際、信じられないといった表情を浮かべながら地面を見つめていた。イングランド代表のキャプテンである彼は、この試合で終始決定機を外した場面を反芻していたことだろう。

今シーズンの不調により疲れ果てたチームは、試合開始早々にウーゴ・ロリスを重傷で欠く事態にも陥った。

ポチェッティーノ自身が語った通り、マドリードで行われた6月1日のチャンピオンズリーグ決勝をターニングポイントとしてスパーズの第一章が幕を閉じた。このような物言いをするとスパーズの一時代に終わりが告げられたように感じられる。そして、それはチームにとっての一時代の終わりなのか、それとも監督が仕事を全うしたという話なのか、近いうちに明らかになることだろう。

トビー・アルデルヴァイレルトとヤン・フェルトンゲンのCBコンビは、かつてヨーロッパ・ナンバー1と謳われていたが、何者にも勝るそのコンビの時代は幕を閉じたと言えるかもしれない。

ベルギー代表である彼らは、かつて動きにキレがあり、冷静沈着で試合における状況把握は一級品であった。しかし今や、両者とも30代となり、今シーズンはプレーにキレがなく、彼らが対峙する相手選手の仕掛けにうまく対応できていない。

先日の試合、アメックス・スタジアムで未だ19歳のコネリーがプレミアリーグで初のスタメン出場を果たした。そして、4ヶ月前にチャンピオンズリーグ決勝を戦い、一年程前にワールドカップのセミファイナルの舞台で戦っていた国際経験豊富なディフェンダーで構成される守備を切り裂いた。

今のトッテナムにおいて彼ら2人だけが不調なわけではない。しかし、彼らのパフォーマンスを見れば、ポチェッティーノが作り上げたチームの骨格がどれほど崩れたのか、そして再建の必要があることがよくわかる。

少し前にポチェッティーノはこのことに言及していた。バックラインを再び活性化させるため、フェルトンゲンの横にダビンソン・サンチェスを並べ、強さと速さを中央のディフェンスにもたらそうとした。

アルデルヴァイレルトの怪我もあって、ポチェッティーノはサンチェスのスパーズ在籍1年目にこの目論見を果たすことができた。そして、契約面の問題も相まって、トビーに関してはチームを離れることが予想されていた。

しかし、ポチェッティーノの描くそのプランは実現しなかった。2シーズン目のサンチェスのパフォーマンスは安定せず、彼はそのコロンビア代表のプレーを気に入っていたにもかかわらず、外野がベルギー代表コンビを引き離すことに懐疑的であったことも影響してか、ある段階でポチェッティーノは彼の計画を貫く勇気を失ってしまった。

このような経緯があって、トッテナムは今の状況に至るわけである。チームの抜本的改革のため、ポチェッティーノはより多くの時間が必要であると何度も唱え、幾多の夏を超えてきた。しかし、何も起こらなかったのは事実である。

代わりに彼は現有戦力でできる限りの妥協策を講じた。たしかに、彼の率いるチーム戦力には才能あふれる選手が揃っていたが、彼らは何年も前に新たなるチャレンジに打って出るべき選手たちであって、すなわちフレッシュな顔ぶれとは到底言えなかった。そして、求められていたトップレベルの選手を獲得することもなかった。

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