/トリッピア売却の妥当性を裏付けるウォーカー・ピータース

トリッピア売却の妥当性を裏付けるウォーカー・ピータース

 

エティハド・スタジアムのアウェイ席、トッテナムのサポーターたちとともに一人の中年の男が立っていた。名をデニスという。マウリシオ・ポチェッティーノ率いるトッテナムのゴールマウスには、マンチェスター・シティが放った30本ものシュートが降り注いだ。その頃デニスはもしかすると、他の誰よりも不安にかられていたかもしれない。

彼の息子、カイル・ウォーカー・ピータースは先発した選手の中で最も若く、またスパーズの誰よりも厄介な仕事を引き受けていた。成功か失敗か、その判断を下すには時期尚早ではあるが、この22歳のサイドバックにとって、電光石火のラヒーム・スターリングとの対峙は、間違いなく非常に重要な道しるべとなったに違いない。

より熟練した経験豊富なディフェンダーであっても、縮こまってしまうような戦いである。そのなかで、たしかにウォーカー・ピータースは、トッテナムの右サイドバックのファーストチョイスとしての試練のなかに自身が置かれているということを認識したはずだ。

それは、ワールドカップの準決勝進出にも大きく貢献した彼の前任者であるキーラン・トリッピアが、今年の初めに置かれていた環境と同様のものだ。オプタのスタッツによれば、トリッピアは昨シーズン、チェルシー戦とマンチェスター・シティ戦で失点に直結するミスを犯したものの、いくつかの試合では高い水準のパフォーマンスを見せていた。特にチャンピオンズリーグ準々決勝での、ペップ・グアルディオラ率いるマンチェスター・シティとの戦いにおいては、彼の持つ最高のプレーレベルを見せたといえる。

これらのパフォーマンスがあったこともあり、この夏ポチェッティーノが下した判断、つまりアトレティコ・マドリードへのトリッピアの売却に、一部のスパーズファンは賛同しなかった。しかしながら最近では、マンチェスター・ユナイテッドやマンチェスター・シティが、それぞれサイドバックの後任の獲得のために5000万ポンドを一人の選手に費やしたことに対する疑問などの議論があるのもまた事実である。

代わりにポチェッティーノは、今のところプレミアリーグで8回の先発に留まり、U-21欧州選手権ではイングランド代表に選ばれることのなかった選手を支持する形でシーズンに突入した。カイル・ウォーカー・ピータースは昨シーズン終わりにここスパーズでまだチャンスが残っているということに気がつき、この夏のクリスタルパレスやサウサンプトンといったクラブからの獲得打診には乗らない道を選んだのだ。

代表チームからの選外に気を落とすのではなく、彼は休暇をリフレッシュに充ててプレシーズンでクラブに戻ったときにチャンスをモノにするための感覚を研ぎ澄ました。シンガポールツアーでは、ときに守備面でのエラーを見せたもののクラブメンバーたちに感銘を与えた。

ゴールキーパーでクラブキャプテンでもあるウーゴ・ロリスは語る。

「監督やスタッフの信頼だね。彼らはアカデミーから来た若い選手たちにもチャンスを与える。それをモノにできる選手もいればそうでない選手もいる。すべては選手次第なんだ。ここ数年は僕らと一緒に毎日トレーニングしているし、カイルはもう新入りではない。監督の要求も良く理解しているし、彼に必要なのは経験だけさ。プレシーズンでもトレーニングでも彼の持つ力は見せているし、あとはそれを試合でも繰り返していく必要がある」

 

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