/【コラム】プレッシング・フットボールに変化を強いられる今シーズンのスパーズ

【コラム】プレッシング・フットボールに変化を強いられる今シーズンのスパーズ

これはポチェッティーノにとっての難問である。ケインの攻撃力には疑問の余地はない。開幕した8月だけでクラブと代表で7ゴールを記録した。しかし、ここ数年で足首を何度も負傷し、その結果、彼のプレースタイルは進化している。

ペナルティ・ボックスのなかではケインは今でも相手にとって最も危険な選手であるが、最近は相手チームの最後部にいるディフェンダーと肩を並べている。裏抜けを狙うよりも、周りのチームメイトのスペースを作ることに専念しているようだ。

Harry Kane's touchmap from Tottenham's 2-2 draw with Arsenal shows how the striker is dropping deeper
アーセナル戦で高い位置で張っているハリー・ケインのボールタッチ位置

ケインの進化は、彼のオフ・ザ・ボールでの役割にも影響を与えた。今シーズンは、これまでのスパーズでの6シーズンに比べて、1試合平均のボール奪取数とタックル数が少なくなっている。今シーズンの360分のプレーでファイナルサードでたったの3回しかボールを奪っていない。

かつてポチェッティーノのためにプレスを牽引したハリー・ケインは、もはやあの頃の強さでプレーしているわけではない。おそらく、5月のチャンピオンズリーグ・セミファイナルのアヤックスとのセカンド・レグでスパースが見せた、ポチェッティーノの代名詞でもある息を呑むようなプレッシング・フットボールを最後。その試合で、ケインが欠場していたのは偶然ではないだろう。

ファイナルでケインが復帰したことはスパーズにとって歓迎すべき材料となったが、UEFAのテクニカル・レポートが示すように、スパーズの勢いは衰えてしまった。

現在のトッテナム

おそらくポチェッティーノは、ケインが以前の強度レベルに戻ることをまだ望んでいるだろう。土曜日、イングランド代表がブルガリアを相手に3点目のゴールを決めた際、ケインが敵陣内でボールを奪取したことが起点となったのは好材料だろう。さらに火曜日のコソボ戦でも同様にラヒーム・スターリングの先制ゴールをお膳立てした。

しかし、プレミアリーグは全体的により負担の大きい環境である。ケインの進化については、まず本人がその変化を把握しており、今シーズンのトッテナムがそれに合わせた調整を進めていることからも当然、ポチェッティーノもそれをわかっているのだろう。半ば強引な戦術で進歩を遂げたチームは、ここで新たな道を探さなければならない。今のところ、それはプロセスは進行中のままである。

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