/【コラム】エンドンベレの獲得成功に秘められたスパーズの「次なる章」への重要な意味

【コラム】エンドンベレの獲得成功に秘められたスパーズの「次なる章」への重要な意味

 

エンドンベレには、ただ単に彼が優れた選手である以上のことがいえる。彼は近年フランスで最も魅力あふれる若いチームの中心選手だ。チャンピオンズリーグのグループステージでは、マンチェスター・シティとの2試合でチームが4ポイントを得たことにも大きく貢献した。彼は冷静かつパワフルで、スピード、緻密さを持ち合わせ、ムサ・デンベレとヴィクター・ワニアマがともにフレッシュさを失っていくなかで、まさに喉から手が出るほど必要とされていたタイプの選手であるといえる。

このポジションでは、彼はこの夏獲得可能とされた選手たちのなかでベストといっても過言ではない選手であり、マンチェスター・ユナイテッドが交渉にあたる前に、スパーズへやってくることが決まった。

そして、この獲得こそが何よりもまず、本当の意味での過去からの脱却なのだ。

何故なら、トッテナムが最後にエリート選手を獲得したのはいつだ?並み居るトップチームたちが軒並み興味を示した選手の獲得はこれまであっただろうか?

少なくとも、ポチェッティーノの就任以降はまずなかっただろう。たしかに、デレ・アリの獲得ではリヴァプールを出し抜いていたが、彼は当時まだMKドンズでプレーするティーンエイジャーに過ぎなかった。アヤックスからクリスティアン・エリクセンを獲得するため、ギャレス・ベイルが残した移籍金を費やした2013年に遡ればどうか?あの時期はクラブの歴史の中でも非常に特殊な状況であったといえるだろう。

それ以来ずっと、スパーズは安定して成長を続けてきた。リーグで3位フィニッシュが2度、2位フィニッシュが1度。新しい本拠地がオープンし、チャンピオンズリーグにも到達した。しかし、それでも彼らには競合するライバルたちを前にしながら、5500万ポンドを費やして選手補強を成功させるほどの力強さは、資金力でも品位の面でもなかったではないか。

それこそが、彼らが狙った選手を獲得することを、最終的には諦めざるを得なかった理由であったはずだ。しかし、今は違う。それができるのだ。

1ヵ月前にスパーズがチャンピオンズリーグ決勝で敗れたとき、スパーズはリヴァプールの昨年の戦略に追随する必要があるとの声が聞かれた。キーとなるポジションには、獲得可能なベストの選手、それも本当の意味でチームを強化できる選手のみを補強するというようなものだ。

ともすれば、これまで移籍マーケットのこのような段階で選手獲得などしてこなかったチームにとっては、若干の無理もあったかもしれない。とはいえ、スパーズは、クラブの課題を解決できる選手の獲得を発表している。それは、資金力への疑問符に対する回答であり、ピッチではクラブをもう一段階上のレベルに引き上げながら、クラブの新たな威信を証明する選手なのだ。今スパーズに求められるのは、彼のような存在をもう一人獲得することだといえるのではないだろうか。