/1年前のアヤックス戦の奇跡。今、初めて明かされるいくつかの逸話

1年前のアヤックス戦の奇跡。今、初めて明かされるいくつかの逸話

ダレン・フレッチャー(BTスポーツのコメンテーター)

「私にはもう一つ別の問題があった。(コメンテーターの相方の)ジャーメイン(ジーナス)が完全に我を忘れてしまったんだ。彼は純粋に言葉を失っていたね。それから低いしわがれ声でこう言うのが聞こえた。『信じられないよ、フレッチ』。それで余計に特別感を増す効果があったと思うよ」

「彼はショック状態で、目が潤んでいたよ。試合中継の場にはジャーメインとグレンが居合わせていたんだ。二人ともとんでもなく多くの時間をスパーズで過ごしてきた。『SPURSY(スパージー)』というバカバカしい揶揄はもう忘れるんだ。何故なら、本当にやらなければいけないときに、彼らはやってのけるだけの肝っ玉を持っているんだ」

ハナ・シェリダン(スパーズ主任栄養士)

「3点目が決まったとき、私は控室にいたの。急いで走りすぎて、食べ物の乗っていたテーブルに腰をぶつけて、痣(あざ)が数ヵ月も残ったわ」

ロス・ジョンストン(スパーズ主任分析官)

「使っていたカメラにはマイクが組み込まれていて、観衆の騒めきとかそういう音を拾うんだ。コーチは映像の隅々まで見返すと分かっていたから、私自身は無言でいなければいけない。でも、あの3点目が決まったとき、ビデオから聞こえるのは僕が叫んでいる声だけさ。甲高い声であらゆる言葉を吐きまくってね」

ポール・マイルズ(スパーズのクラブ記者)

「アヤックスの選手たちがそこに倒れ込んだ。絶対忘れないよ。僕らの選手たちがファンの所にセレブレーションに行っているあいだ、6人、7人、8人とアヤックスの選手たちが文字通り地面に倒れ込んだ。誰か上空から写真でも撮っていたら、フットボールの試合が作り出す感情の対比をありありと映し出していただろう。ただただ常軌を逸したものだった」

「ジャーメイン・デフォーからWhatsApp(英国で広く使われているメッセンジャーアプリ)でこんなメッセージが来たのを覚えているよ。『Wow(ワオ)、とにかくWowだよ』ってね」

ハナ・シェリダン(スパーズ主任栄養士)

「みんなピッチに走り出したわ。ベンチで肩を寄せ合うような感じだった。ルーカスのゴールの後まだ2、3分残っていたから。私は、ドクターのクリス・ヒューズを掴んで彼を揺すっていた。心臓が肌を破って飛び出してきそうだったから。『気を失いそうよ』って彼に叫んでいた。誰も座ってなんかいられなかった。それだけピリピリしていたのよ」

アディショナルタイムが7分56秒を過ぎたところで、審判のフェリックス・ブリチは終了の笛を吹いた。トッテナムはチャンピオンズリーグ決勝へと進んだのだ。

デレ・アリ

「夢のようだったよ。あの瞬間が永遠に続けばいいと思っていた。ピッチ上で祝って控室でも祝った。でも僕の場合は、すぐに止めなきゃいけなかったんだ。ドラッグテストがあったからね!」

ロス・ジョンストン(スパーズ主任分析官)

「ラップトップを閉じて、文字通り観客の間を突っ走って行ったよ。控室まで興奮しまくりで降りて行ったら、そこには誰もいなかったんだ。バッグを床に放り投げてピッチに向かったら、みんなコーナーにいたのでそこに突進したね」

「選手やスタッフとのピッチでのあの経験は、もう現実とは思えないものだった。トッテナムのサポーター集団は実に大きな声を出していた。選手とかスタッフとかいう職業上の区切りはあるが、あの時は全員が友人だった。お互いハグしあい抱き合って喜んだよ」

BTスポーツの試合終了後ダイジェスト