/マウリシオ・ポチェッティーノのルーツから成功の秘密の数々がここに明かされる

マウリシオ・ポチェッティーノのルーツから成功の秘密の数々がここに明かされる

 

2013年、ポチェッティーノがこの国に来て8ヶ月後、スポーツ・メイルが取材した際に彼はこう語っている。

「純粋なタレントという意味では、イングランドはブラジルやアルゼンチン、スペインなどの他国を羨む必要は全くない。すべては如何にハードワークし、自信を持って自分自身を信頼するかに尽きる。機会を与え支えること。プレミアリーグで競い合うチャンスを与え続け、ミスをしてもそれもまた若きプレーヤーとしての向上の一環なんだと理解させることだ」

「私はスペインのフットボールが変化するのを目の当たりにした。20年以上に渡っての変化を見続けて来たんだ。何も勝ち取れない時代から勝利を勝ち取り始めるまで。今イングランドもまた、ただ信念のみが必要な時期にある。自国のタレントをそしてイングランドのフットボールを体現する、受け継がれてきた能力を真に信頼するんだ」

正直なところ当時それはイングランドに対するリップサービスのように聞こえた。6年たった今は、彼の言葉が真実であったと言えるかも知れない。

Miki D'Agostino (left) and Toni Jimenez (right) are the other members of Pochettino's inner circle of coaches at Spurs

ポチェッティーノに近い人物は、彼に対するビエルサの影響を解明することに対して異を唱えている。ポチェッティーノ自身が公にビエルサを「父親のような存在」としているのにもかかわらずだ。

私生活でビエルサとそれほど近しい関係にありたいと思っているのか。単なる例えと考えているのかは不明だ。一年間、ポチェッティーノとともに『ブレイブ・ニューワールド』の製作に関わったジャーナリストのギジェム・バラゲ氏はこのように評している。

「ニューウェルズ・オールドボーイズやビエルサからはもちろん多くのことを学んでいる。だが、彼はビエルサのようなタイプの監督やコーチとはかけ離れている。フットボールに対しての見方が全く異なるのだ」

バラゲ氏はリーズでのスパイ事件を引き合いに、ビエルサは相手がどういった戦い方をするかに固執すると主張している。ポチェッティーノは自分のチームがどのようにプレーするかの方に遥かに焦点を置くだろう。

バラゲ氏はこう続けた。

「彼がビエルサから学んだことは、誰かに機会を与えようという際に出自を問題にしないことだ。その選手が仕事をこなしさえすれば、17歳でも20歳でも28歳でも関係ない。勇気を持って主役となるためにピッチに向かうことだけが必要だ。ハードワークをしてボールを奪還する。ひとたびボールを得たら、彼の目指す所はビエルサとは違ったものなんだ」

「プロタゴニスタ(主役、ヒーロー)」とはラテン系のコーチたちからよく聞く言葉だ。ポチェッティーノやグアルディオラは特によく使っている。

A move to Southampton saw Pochettino succeed again, and he helped the likes of Adam Lallana reach the next level

彼らはこの言葉を誇りの象徴として使っている。試合に向かいポゼッションを保持するチームがあたかも勝利への当然の権利があるとでも言うように。

これはビエルサからポチェッティーノに与えた影響であり、さらにはイングランドのフットボールに対しても明らかな影響が与えられた。昨年、セヴィージャにてイングランドがスペインと対戦し、15年ぶりのスペインにホームでの敗戦の苦痛を味あわせた試合は、1996年テリー・ヴィナブルズの指揮下のオランダを4-1で下して以来、最も栄えある「ヒーロー」たるに相応しいものだった。