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VARによるオフサイドの判定に存在する「誤審の余地」

VARで使用されるカメラは毎秒50フレームであり、すなわち0.02秒ごとに撮影された1枚の写真を用いている。人間の目には、自然な動画として見えるはずだ。

オフサイドの場合、まずVARは「ボールが出された瞬間」を示すフレームを選択する必要がる。[フレーム1]では、シューズをボールから1インチ離れたところにある場合、VARはシューズがボールに触れた次の[フレーム2]を見る必要がある。

しかし実際には、「ボールが出された瞬間」はその[フレーム1]と[フレーム2]の間のどこかになる。そして、The Mail on Sundayが計算したところでは、ウェストハム戦のスターリングと同じくらい際どい判定において、そのフレームが変わる間にスターリングはオンサイドのポジションからオフサイドのポジションに移動できてしまう。これはとても重要な点だ。これは判定を誤る余地があるということを意味する。そして、その余地は、攻撃側選手と守備側選手の移動速度によって異なってくる。

その算式は上の図で説明されている。しかし、昨シーズンのプレミアリーグで記録された最速の時速21.75mp(時速35km)を使用すると、その誤差は38.8cmにもなってしまう。

これは、攻撃側の選手がその誤差の範囲内でオフサイドであった場合、現在のVARでは「ボールが出された瞬間」に正確にオフサイドであったかどうかを確認できないのだ。現在のVARにおいて、オフサイドはゴールライン・テクノロジーほど「白黒」ハッキリつくものではない。

では、どのように扱われるべきか? VARを完全に排除するか? それは起こえないことでありし、起こるべきではない。VARはその全体の方針として良いことだからだ。では現状を維持か? この不完全だが絶対に従うしか判定方法を受け入れて、笑って耐え続けるか? それとも変更するか?

プレミアリーグはコメントを避けたが、先週、オフサイドの判定を「明確で明白」なテストと位置づけるかどうかをルール協議会が議論すべきだとの報告があがった。その方が理解はできる。目指すべきルールの運用への道のりを拒否するのではなく、線審がオフサイドを合理的に裁けたかどうかを評価しようとするのだ。

しかし、実際にはどのように使われるのか? 「明確で明白」なテストとは何か? 選手のポジションと状況に応じて誤審の余地が変化する以上、誤審の余地を受け入れるのか。その2つは常に同じではない。突然、オフサイドの判定が、正しいのか誤っているのかがあいまいになってしまう。

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ルールを微調整することはできる。たとえば、身体の「アクティブな部分」のどこかがオンサイドにある場合、それはオンサイドとすべきだと示唆する人もいる。しかし、それは線を引く場所を変えるだけではない。脇の下ではなく、かかとの後ろに移動するというものだ。結局、同じ問題が発生する。

では、どこで線を引くか? 水掛け論だ。VARによるオフサイドの判定が完璧であると宣言されているものの、実際にはそうではないのであるのだから、これ以上、ゴールをそのわずかな誤審の余地によって取り消し続けることはできない。

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