/成功を確実とすべく、ハイストリート文化に目を向ける欧州最新のスタジアム

成功を確実とすべく、ハイストリート文化に目を向ける欧州最新のスタジアム

 

フットボールが世界中で最も人気なスポーツとしての地位を固めつつあり、プレミアリーグはその中で最も人気があり豊かなリーグとみなされている。そしてそのファンベースも進化している。その人気は世界規模に達し、フットボールが新しい種類のエンターテインメントとして楽しまれるように変わってきた。コアなサポーターたちのように、そのために人生があり、そのために呼吸したり生きているというスタイルではない。

その結果、様々な種類の人々が試合観戦に出向くようになった。コアなサポーターから、よりカジュアルなファン層へのシフトが進んでいるのだ。そうしたカジュアル層にとってはその日の経験全てが、純粋な試合観戦そのものより遥かに重要なのだ。この事実は建造物にはどのように反映されているのか。それはメインパートであるピッチと同じくらい設備に対する注目度が高いことで、少なくとも説明できるだろう。

これこそが、トッテナムの新スタジアムが格好のケーススタディになっている理由だ。純粋にフットボールの観点から見る者にとっての注目は、建築会社のポピュラス社による眩暈を起こしそうな一層型の南スタンドと解禁され次第セーフスタンディングとなる座席であろう。これらは大いに歓迎されるいい雰囲気を試合中に作り出すだろう。どちらも生観戦の興奮が今よりも熱かった古き良きイングランド・フットボールの世界へと我々を誘うものだ。それはほぼ間違いなくより心躍らされるものではあるが、コアなファンたち以外にとってはさほど歓迎すべき要素ではなかった。

だが、2018年のニールセン社のワールドフットボール・レポートが示すように今日の観客はあらゆる意味で多様化している。ジェンダーから国籍、所得額に至るまでだ。実際、恐らく最も驚くべきことに中高所得者層の方が低所得者層よりもよりフットボールに関心があるのだ。調査結果ではインド以外のすべての国でそうなっている。トッテナムがその計画段階で最高額席エリアに(馬鹿げていると大いに批判を浴びたが)チーズルームを設けるという決定をしたのも、この事実を見れば頷けるであろう。最終的にはこれは実現しなかったが、それでもライブスポーツに関心を示すそうした富裕層の需要を満たすべく、先見の明を働かせようとする試みが悪いものだということにはならない。

しかしこの新スタジアムには他にもファーストクラス級の設備がある。欧州一の長さを誇るバー。世界で唯一のスタジアム内ビール醸造所。これは、いわゆる大手メーカーではなく地元のクラフトビールのビーバータウンによって運営されている。(実際には昨夏ハイネケンがビーバータウンから少量の株を購入しているが。だが、興深いことには、この初めてのスタジアム内醸造所が提供するのはラガーではなくIPA(エール)だということだ。)

欧州一の目を見張るスタジアムを目指すのならば、それは驚くべきことではないはずだ。ポピュラス社の子会社であるジャンプ・スタジオは、トッテナムのライバルがやっていることに注目するのではなく、ハイストリートで何が起こっているかに目を向けたのだ。

ゴールラインバー (欧州一長いバー)