/【コラム】フットボールが「お金」に牛耳られ、舞台はピッチの上ではなくなるのか [Guardian]

【コラム】フットボールが「お金」に牛耳られ、舞台はピッチの上ではなくなるのか [Guardian]

プレミアリーグや他国リーグにおいても、すでにクラブの序列が決まっており、レスターの優勝のような奇異な事象が起ころうとも、その序列が揺るぐことはない。

 

政治においては「アメリカがくしゃみをしたら世界全体が風邪をひく」と言われているほどだが、スポーツ界においてはマンチェスター・ユナイテッドが監督を解任させたら(近年は頻繁に起こる出来事となっているが)フットボール全体に連鎖反応を引き起こす。そして現在、その影響を最も受けているのはトッテナムだ。ジョゼ・モウリーニョがオールド・トラフォードから追い出された後のメディアの反応ぶりは、「マウリシオ・ポチェッティーノがユナイテッドの次期監督にすでに決まっている」と思わせるようなものだった。ポチェッティーノがトッテナムの監督としてこれから数か月間やっていくのが、まるで恥ずかしいことだ、と伝えているようにも見てとることができた。

It is widely assumed Mauricio Pochettino would choose to leave Tottenham for Manchester United, just as he left Southampton for White Hart Lane in 2014.
 

とにかくだ。もし、映画監督のあなたがハリウッドの超大作の依頼を無限の予算の下で頼まれたとしたら。それでもオファーそっちのけで「イーストエンダーズ(BBCの長寿テレビドラマ)」で働き続けたいと思うだろうか?その格差というのは、マンチェスターの高層階級とノースロンドンの永遠の敗者の間に存在する職業的な隔たりのようなものだ。それはスパーズがプレミアリーグでユナイテッドより上の順位につけていることとは関係ないし、多くのファンの目から見て「トッテナムの方が良いチームだ」ということも全く問題としない。

プレミアリーグにおいて、今まで金と権力がモノを言ってきた。これは言い過ぎだろうか。いや少なくともフリーメイソンのとある面白い手ぶりの暗号を生み出してきた。それだけのことだ。トッテナムのファンは自分たちのチームに向けられた周囲の尊敬の欠如に対して憤りを感じていたし、クラブも自分たちの記者会見の場がユナイテッドに関する議論の場となっていたことに怒りを覚えていた。

これらに関して、ポチェッティーノ自身は案の定、むしろ遠慮がちに平静を装い、なんなら面白がっている。というのも彼はトッテナムに他の惑星から来たわけではないし、他の国から来たわけでもない。彼は魅力の劣るサウサンプトンというクラブから来たのだ。もっとも、セインツが選手やポチェッティーノ監督を引き留めることに成功していたら、彼らは今頃、残留争いなんかに毎年燃えるのではなくチャンピオンズリーグ出場権を争うクラブになっていたかもしれないが。

ポチェッティーノは2013-14シーズンのプレミアリーグで8位、そして当時クラブ史上最多勝ち点を記録し、セインツを去った。また、アトレティコ・マドリーからローンでセインツに加わったトビー・アルデルヴァイレルトも、セインツとの交渉が揉めた末にスパーズへ移籍した。このセンターバックに遅れること1年、守備的ミッドフィルダーのヴィクター・ワニャマがスパーズに加入し、翌年には控えゴールキーパーのパウロ・ガッザニーガもスパーズの一員となった。