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選手が契約交渉でダニエル・レビィ会長に勝てるわけがない

トッテナム・ホットスパーは、クラブの歴史のなかで常にタイトルに挑戦してきたわけではないかもしれないが、ダニエル・レビィが会長を務めたこの20年の間にタイトル争いの常連へと成長を遂げた。レビィは長期契約をして選手の給与を抑え、移籍交渉で最大の価値を引き出す交渉力を発揮してきた。

しかし今、クラブの主力選手の何人かがこの雇用状況に賢明になったと思われ、トッテナムはレビィのもとで初めて選手との契約に関連した危機のようなものに迫っているのかもしれない。選手の中には、4シーズン連続してチャンピオンズリーグの出場権を獲得した主力であることから、それに見合うだけの報酬を得られていないと感じている者もいる。この緊張がピッチにまで波及し、チームの継続的な進化を続けるチャンスを損なう可能性がある。

クリスチャン・エリクセン、トビー・アルデルヴァイレルト、ヤン・フェルトンゲンは、それぞれのスパーズとの契約の残り期間が12カ月未満となっている。来年の夏になれば、さらにダニー・ローズ、エリック・ダイアー、ムサ・シソコはそれぞれの契約が残り1年となる。

週給9万ポンドを稼ぐエリクセンは、契約延長の交渉がかなり難しいことを証明してきた。トッテナムは、キャリアのピークにある27歳のエリクセンをフリーで失う危険にさらされている。売り時によっては、移籍マーケットで1億ポンドの価値があるかもしれない選手だ。

以前のトッテナムではこのような事態は起こらなかったし、レビィに対抗しようとした選手はほとんどいなかった。2001年に就任した直後の夏、ソル・キャンベルはスパーズのローカル・ライバルであるアーセナルに移籍した。その後、レビィは選手たちを長期契約に縛り付けることに成功し続けた。

レビィのアプローチは、定期的に選手の契約をより良い条件で延長することだった。ハリー・ケインは2016年12月と2018年6月にそれぞれ6年間の契約を結び、週当たりの賃金を20万ポンド近くに引き上げた。ニューカッスル・ユナイテッド戦がある来週にはハムストリングの負傷から復帰すると予想されているデレ・アリもまた、2年連続でより良い条件の契約に署名した。

トッテナムはしばしば、クラブ側が選手の契約を1〜2年延長できるオプション行使権を契約に含めることがあり、これはクラブが交渉の席につかなくてもクラブの意思で契約を延長できることを意味する。彼らは昨シーズン、フェルトンゲンとアルデルヴァイレルトのオプションを行使し、1年間の契約を延長した。

30歳のアルデルヴァイレルトは、2015年に入団してスパーズでの2シーズン目から、週に約7万ポンドの給料について議論してきた。彼は1年後にフリーエージェントになれば、ヨーロッパのビッグクラブが高額の給料のオファーを提示してもらえると信じているようだ。

アルデルヴァイレルトは1月から国外のクラブと事前契約を結ぶことができる。同じベルギー人で32歳のフェルトンゲンはこれまでのところ、クラブとの契約延長に合意していない。

29歳のローズは、親友のカイル・ウォーカーが2017年にマンチェスター・シティに移籍することで2倍以上の賃金をシティから得ることになって以来、移籍を熱望してきた。

ある代理人は、レビィが契約交渉でいかに主導権を握っていくかについて話してくれた。同氏は、ある選手が一定数の試合に出場することで有効化される条項をレビィが契約に織り込みたがる例をあげた。代理人がその数字を提案するたびに、レビィは別の数字を選んでくるのだ。

また別の代理人によると、レビィは会談中、常に自分に有利な状況をねじ曲げてくるという。

同氏は、「ダニエルが追い詰められることはないんだよ。彼はねじ伏せられるような人物ではない。彼は決して動じないんだ」と語った。

「(1年後に)フリーになるからといって、エリクセンを安価で移籍させたりはしないだろう。選手側がフリーになるリスクをチラつかせようとも、勝てっこないんだ」

しかし、エリクセンは強い立場にいる。ティボー・クルトワとエデン・アザールは契約の最終年を迎えたことで、チェルシーにレアル・マドリードへの移籍を強いることで成功した。メスト・エジル、アレクシス・サンチェス、アーロン・ラムジーはアーセナルを翻弄した。彼らは契約の最終年を迎え、エジルは大幅な昇給を勝ち取り、サンチェスとラムジーは移籍先での高給を勝ち取った。

エリクセンと彼のチームメイトの何人かは、同じようなシナリオに目を向けているかもしれない。

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