ウェストハムがプレミアリーグの「収益および持続可能性規定(PSR)」の違反を避けるため、そしてチーム再建を進めるために、トッテナムが十分な金額を提示すれば、モハメド・クドゥスを売却する可能性がある。
Guardian/Jacob Steinberg
スパーズはクドゥスを重要なターゲットと位置づけており、7月初の10日間に発動する8500万ポンドの契約解除条項よりも低い金額での獲得に自信を持っているようだ。公には具体的な希望価格は示されていないが、6000万ポンド程度あれば取引成立の可能性があるとの見方がある。
クラブ内外の情報筋によると、ウェストハムは資金に非常に窮しており、選手を売ってから買う方針が明確だ。プランの一環としてクドゥス売却が最適だと考えており、できればスパーズではなく他クラブに売りたいという気持ちもあるが、現実的にそこは妥協する構えを見せている。ウェストハムの選手がトッテナムに移籍するのは、2011年のスコット・パーカー以来初となる。
PSRの観点からも、選手獲得による支出のまえに、売却による資金調達がないと違反のリスクを高めるため、ウェストハムはPSRの違反を回避する必要がある。エドソン・アルバレス、ナイフ・アゲルド、ニクラス・フュルクルクといった高額給与の選手を売却対象として動いているが、ルーカス・パケタについては、イングランド・フットボール協会が調査中の賭博違反疑惑(本人は否定)により、売却が実現する可能性は後退している。
ポッター監督自身も、クドゥスの放出に前向きだとされる。これは、昨季クドゥスがやや低迷し、最も得意とする右ウィングがチーム・キャプテンのジャロッド・ボーウェンとポジションが重なるためだ。クドゥスにはチェルシー、ニューカッスル、マンチェスター・ユナイテッドからの関心もある。特にチェルシーは、24歳の彼が攻撃ラインの複数のポジションをこなせることに注目しているが、ジェイミー・ギッテンスやジョアン・ペドロの獲得が進行しているため、さらなる補強があるかは未定だ。
クドゥスは2年前にアヤックスから約3700万ポンドでウェストハムに加入し、加入初年度は称賛を浴びたが、2シーズン目は苦しいシーズンとなった。昨季はルペテギ前監督と対立し、わずか4ゴールにとどまっている。ウェストハムは彼の才能を認めつつも、ポッターのシステムとの適合性を懸念し、チーム再建の資金としての売却を望んでいる。
スパーズは、昨季のトッテナム戦でクドゥスがレッドカードを受け、5試合の出場停止処分を受けたことにさえ動じていない。トーマス・フランク新監督は攻撃力の強化を求めており、ブレントフォード時代の教え子であるブライアン・ムベウモをマンチェスター・ユナイテッドに奪われる可能性もある中、クドゥス獲得が現実的な選択肢となっている。ムベウモ以外にも、ボーンマスのアントワーヌ・セメンヨやアーセナルからも評価されているクリスタル・パレスのエベレチ・エゼの動きも注視されている。
