スパーズと、騒がしい長期戦の移籍劇はつきものだ。過去を振り返れば、ギャレス・ベイルやルカ・モドリッチ、そして長年ゴールを量産してきたハリー・ケインがその代表例だ。
football.london/Alasdair Gold
毎年夏になると、イングランド代表キャプテンを巡ってさまざまな憶測や騒ぎが巻き起こり、興味を示すクラブがその喧騒を煽り立て、選手やトッテナム周辺を不安定にしようとしてきた。
結局、これらの選手たちは皆スパーズを去ることになったが、それは誰もが予想したタイミングではなかった。多くの場合、そのような騒動が起こってから1年か2年後にようやく移籍が実現した。前述の3人は合わせて出来高を含め約2億2000万ポンドでプレミアリーグから国外のビッグクラブへと旅立っている。
この話から得られる教訓は明白だ。スパーズのスター選手を獲得したければ、待たなければならず、そしてその代償は高くつくということだ。
今年、トッテナムを巡って最も騒がれているのはクリスティアン・ロメロである。
2年前にバイエルンがケインを追いかけた際、同クラブの関係者が毎週のようにメディアで名前を出していたのと同じように、アトレティコ・マドリードによるワールドカップを制覇したこのディフェンダーへの関心も、控えめとは言い難い。
クラブ・ワールドカップでパリ・サンジェルマンに敗れた後、ミックスゾーンでスパーズのディフェンダーについて問われたディエゴ・シメオネは、「クティ・ロメロが欲しいか?もちろんだ!彼は素晴らしい選手だ」と笑顔で答えたと報じられている。
スペインのメディアの報道もこの件については同様に大きく、大胆だ。シメオネがロメロに毎日電話をかけて移籍を迫っているという情報や、スパーズは最終的にアトレティコの強力なアプローチに屈すると見られているという憶測が流されている。
しかし、シメオネが本当に毎日電話しているとすれば、かける相手を間違えている。彼が本当にかけるべきは、ダニエル・レヴィ会長の電話番号である。
アルゼンチン人センターバックには契約があと2年残っており、ヨーロッパリーグの大会最優秀選手および決勝のマン・オブ・ザ・マッチに選出されたばかりだ。ワールドカップ優勝、コパ・アメリカ2回優勝の肩書きを持つロメロの価格は、当然ながら高騰する。「世界最高のディフェンダー」と評したリオネル・メッシの言葉も忘れてはならない。


