トッテナムに解任されたアンジ・ポステコグルーのインサイド・ストーリー

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ビルバオ戦で示した戦術的柔軟性と大舞台でのモチベーションの高さを、来季にも活かすことができると考える人は多いだろう。22試合のリーグでの敗戦も、負傷者と優先順位の関係を考慮すれば納得のいくものだと。来季、主力が完全にフィットし、補強も進めば、トッテナムは再び良いチームに戻り、その状態を維持できるはずだ。これが、ポステコグルーの「3年目」に楽観的な見方である。

一方で、もう片方の意見もある。彼には2シーズン、リーグでの指揮権が与えられたが、その間スパーズはわずか104ポイントしか獲得できなかった。リーグ戦では31勝に対して34敗と、敗戦数が勝利数を上回った。2023年11月のチェルシー戦(1-4)以降の成績はひどく、そこからの66試合で勝ち点はわずか78。降格した6チームを除けば、その期間のトップリーグでの戦績は、エヴァートンとウォルバーハンプトン・ワンダラーズに次いでワースト3である。

もちろん、それには多くの背景がある。ポステコグルーが導入した戦術スタイルの変更、ハリー・ケインの退団、ソン・フンミンの衰え、負傷者の多さ、選手層の薄さ、2024年夏の補強方針として経験豊富な選手を避け、若手を優先したこと。コナー・ギャラガーも、ジェイコブ・ラムジーも、ペドロ・ネトも、ポステコグルーが好んだ選手は加入しなかった。

最終的には、そうした背景と2年間の実績を天秤にかけた上で、「来季、チャンピオンズリーグとの両立が求められるなか、ポステコグルーは国内リーグでチームを本当に改善させられるのか」を見極める必要があった。

多くのファンは、ポステコグルーの言葉通り「3年目は2年目より良くなる」と信じていたかもしれない。だが、そろそろ他の誰かに任せる時だという声もあった。そして、最終的に「もう一度チケットを買って賭けに出るかどうか」を決断しなければならなかったのは、ただ一人、ダニエル・レヴィであった。

彼は、最終的に「降りる」ことを選んだ。

※本記事の内容についてThe Athleticがトッテナムに取材したところ、クラブは個別の事案についてのコメントを控えた。

Why Tottenham sacked Ange Postecoglou, the manager who ended their 17-year trophy drought
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